『養生訓』 脂肪の多い魚はいけない(巻三38) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「ひどく腥(なまぐさ)くて、脂肪の多い魚は食べてはいけない。魚の内臓は脂肪が多いので、食べてはいけない。なしもの(塩から)はとくに消化が悪くつかえやすい。しかも痰を生じる。」


痰というのは、外から入ってきた湿邪や、体内の過剰な水分がたまってできた水湿がかたまったもので、気血の流れを阻害します。冷えが重なると痛みを発し、長いことたまったままにしておくと熱を発します。


塩辛が痰を生じやすいというのは、おそらく塩分が多いためと考えられます。いまどきの塩辛は塩分控えめになっていますから、江戸時代ほどのことはないだろうと思いますが、食べ過ぎには注意しましょう。


「梅雨~夏は「湿」と「思」に気をつけて」 でお伝えしたように、また益軒先生が何度も注意を促していらっしゃるように、日本は気候的に湿気が多いために、ただでさえ脾胃の弱い人が多いわけですから、そこへ痰を生じやすいものを食べたり、脂肪分の多いものを食べたりしては、脾胃に負担を強いることになります。気をつけたいものですね。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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