『養生訓』 元気を保つ方法(巻一21) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「お元気ですか?」 御無沙汰していた方への便り、書き出しはやっぱりこれですね。今は手紙より、メールが多くなってしまいまいたが、たまには手書きの便りもいいかもしれません。いただいたとき、くすぐったいようなうれしさがありますもの。


私は元気です。なぜなら、益軒先生に「元気を保つ方法」を教えていただいてるから。『養生訓』は古臭そうなイメージがあったんですけど、読み進むうちに決してそうじゃないことがわかってきました。使われている言葉こそ違いますが、今言われているようなことを益軒先生は書き残されています


「養生の道は、元気を保つことが根本である。元気を保つ道は二つある。まず元気を害するものを除去し、また元気を養うことである。元気を害するものには、内欲と外邪とがある。すでに元気を害するものを取り除いてしまったならば、その次には飲食と動静に用心して、元気を養うとよい。

 たとえば、それは田を作るようなものである。まず苗を害する莠(はぐさ)を取り去った後、苗に水を注ぎ込んで、肥料をやって養う。養生もまた、これと同じことだろう。まず害を取り除いてから、よく養うことだ。たとえば、悪を取り去って、善を行なうようなものである。気を損なうことを無くして、気を養うことを多くする。これが養生の要である。努めて行なうべきである。」


莠(はぐさ)というのは、水田に生える稲に害となる雑草です。雑草を取る前に肥料をやってしまったら、雑草も育っちゃいますものね。順序としては、雑草を取ってから、肥料をやるのが合理的。


人の健康も同じ。まず害になるもの、すなわち内欲と外邪を除去する。そして、飲むもの・食べるものを選び、適度な運動と休息で、元気を養う。考え方の基本は、いたってシンプルですね。


内欲というのは、何でも欲しいままにむさぼること。外邪は、現代的に言えば細菌やインフルエンザのような感染症を起こすもの、あるいは暑さ・寒さ。そして、内欲に対しては「忍」の一字、外邪に対しては「畏」の一字が重要なんでしたね。


元気を養う方法については、食事のこと、運動のこと、心のありかた、睡眠のとりかた、薬の飲み方、医者の選び方などなど、さまざま語られていきます。ご一緒に学びましょう。


内欲と外邪についてはこちら↓

「内欲と外邪」 (巻一4)

「内欲をこらえる」 (巻一5)

「忍の一字が大切」 (巻一10)

「外邪を防ぐ方法」 (巻一11)

「身を守る畏の一字」 (巻一12)

「養生を害するもの」  (巻一13)

「内敵には勇を、外敵には畏れを」 (巻一20)


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


次→ 人生の三楽(巻一22)


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