SOX+アバスチン療法2回目の12クール目の8日目、今日は普通に出社しました。体調も問題ありません。

さて、表題の件。今日も文章、長いですよ。

大腸がんに対して、先生方が選択している化学療法のレジメンを調査したとても素敵な調査結果が癌ExpertsにUPされていました。これ、先生方よりも患者にとても役立ちますよね。ワンダフル。

◆RAS野生型大腸癌の1次治療でベバシズマブ使用の場合は半数が増悪後も継続使用【癌Experts調査】
(2016年2月21日、癌Experts)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/report/201602/545867.html

まずは、調査概要から。381人の回答をまとめたんですね。素晴らしい!

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<調査概要>

●対象:日経メディカルオンラインに会員登録をしている消化器内科、消化器外科の医師。

●調査期間:2016年1月21日~2月4日

●回答数:532(うち、日常診療において、切除不能・進行再発大腸癌の薬物治療を担当していると回答のあった381人の回答結果をまとめた)

●所属診療科:「一般・消化器外科」214人、「一般・消化器内科」144人、「腫瘍外科」7人、「腫瘍内科」15人、「その他」1人。

●1年間に薬物治療を行う患者数:「1-5人」159人、「6-10人」136人、「15人以上」78人。

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最初に、KRAS野生型の1次治療のレジメン。FOLFOXが6割、続いてXELOXが2割。僕のSOXはかなり少数派なんですね。8割以上がオキサリプラチン(エルプラット)あり。約5割がベバシズマブ(アバスチン)あり。1/3が抗EGFR抗体を使用しています。


<RAS野生型の1次治療レジメン>

【設問】RAS遺伝子野生型の切除不能・進行大腸癌に対する1st line化学療法として、先生が主に選択されるレジメンを以下から1つ選んでください。

FOLFOX+ベバシズマブ 29.4%
FOLFOX+抗EGFR抗体 21.5%
FOLFOXのみ 10.8% 

XELOX+ベバシズマブ 12.6%
XELOX+抗EGFR抗体 4.5%
XELOXのみ 2.6%

FOLFIRI+ベバシズマブ 2.1%
FOLFIRI+抗EGFR抗体 5.0%
FOLFIRIのみ 1.0%

SOX+ベバシズマブ 2.6%
SOX+抗EGFR抗体 1.8%
SOXのみ 0.5%

※回答は抜粋
※抗EGFR抗体=セツキシマブ(アービタックス)、パニツムマブ(ベクティビックス)

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続いて、KRAS野生型の2次治療のレジメン。1次治療にベバシズマブを含んだ場合の回答です。


<RAS野生型の2次治療レジメン(1次治療にベバシズマブを含んだ場合)>

【設問】切除不能・進行大腸癌でRAS遺伝子野生型患者の1st line化学療法として主に選択するレジメンにベバシズマブを含む先生にお伺いします。1st lineで化学療法を実施し、腫瘍増悪が認められた際の2nd line化学療法として、先生が主に選択されるレジメンを以下から1つ選んでください。

FOLFOX+ベバシズマブ 6.9%
FOLFOX+抗EGFR抗体 4.9%
FOLFOXのみ 4.5%

XELOX+ベバシズマブ 2.8%
XELOX+抗EGFR抗体 1.2%
XELOXのみ 2.8%

FOLFIRI+ベバシズマブ 28.9%
FOLFIRI+抗EGFR抗体 16.7%
FOLFIRIのみ 3.7%

SOX+ベバシズマブ 0.8%
SOX+抗EGFR抗体 0.4%
SOXのみ 0.8%

IRIS+ベバシズマブ 8.9%
IRIS+抗EGFR抗体 2.4%
IRISのみ 0.4%

XELIRI+ベバシズマブ 2.1%
XELIRI+抗EGFR抗体 2.0%
XELIRIのみ 2.0%

イリノテカン+ベバシズマブ 2.0%
イリノテカン+抗EGFR抗体 3.3%
イリノテカンのみ (選択肢なし)

※回答は抜粋

約5割がFOLFIRIに移行するんですね。IRISも意外に健闘。XELIRIというのは初めて聞きました。僕は先生から「次はイリノテカン単剤で」と言われているのですが、少数派どころか選択肢すらなかった模様(笑)。ウチの先生、かなり「わが道を行く」タイプか?かっこいいじゃん。

尚「ベバシズマブを継続して利用するベバシズマブ Beyond PD(BBP)を実施している医師が全体では52.8%、抗EGFR抗体に切り替えている医師が32.1%だった」そう。この調査では、それぞれの理由も調べてくれています。


<2次治療でBBPを選択した理由>

【設問】切除不能・進行大腸癌でRAS遺伝子野生型患者の2nd line化学療法として、1st lineからベバシズマブを継続するレジメン(BBP)を選択された先生にお伺いします。BBPをされる理由を以下から1つ選んでください。

エビデンスがあるから 45.1%
ガイドラインに記載されているので 14.7%
効果を実感することがあるから 22.5%
副作用が少ないから 11.8%


<2次治療で抗EGFR抗体を選択した理由>

【設問】切除不能・進行大腸癌でRAS遺伝子野生型患者の2nd line化学療法として、抗EGFR抗体に変更するレジメンを選択された先生にお伺いします。抗EGFR抗体に変更される理由を以下から1つ選んでください。

奏効率を期待できるから 30.4%
エビデンスがあるから 29.2%
ガイドラインに記載されているので 23.6%
ベバシズマブ耐性と考えるため 14.9%

BBPは「がんと気長につき合っていこう」という選択、抗EGFR抗体は「積極的にがんをやっつけよう」という選択、というのが主な特徴だと思います。個人的には、腫瘍の縮小や減少による手術の可能性を探るということでなければ、「できるだけカードを切らない」という意味で、BBPの選択が好ましい気がします。抗EGFR抗体を「先にとっておく」という考え方です。

もちろんこれは、個人的な考えです。一番重要なのは「自分で納得のいくレジメンを選択する」ということだと思います。先生としっかり相談しましょうね。

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続いて、KRAS変異型のレジメン。ここでも約6割がFOLFOXです。75%がベバシズマブを使っています。


<RAS変異型の1次治療レジメン>

【設問】RAS遺伝子変異型の切除不能・進行大腸癌に対する1st line化学療法として、先生が主に選択されるレジメンを以下から1つ選んでください。

FOLFOX+ベバシズマブ 42.3%
FOLFOXのみ 15.2% 

XELOX+ベバシズマブ 21.0%
XELOXのみ 3.9%

FOLFIRI+ベバシズマブ 3.4%
FOLFIRIのみ 2.1%

SOX+ベバシズマブ 3.7%
SOXのみ 1.3%

※回答は抜粋

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KRAS変異型の2次治療は下記。こちらも1次治療にベバシズマブを含んだ場合です。


<RAS変異型の2次治療レジメン(1次治療にベバシズマブを含んだ場合)>

【設問】切除不能・進行大腸癌でRAS遺伝子変異型患者の1st line化学療法として主に選択するレジメンにベバシズマブを含む先生にお伺いします。1st lineで化学療法を実施し、腫瘍増悪が認められた際の2nd line化学療法として、先生が主に選択されるレジメンを以下から1つ選んでください。

FOLFOX+ベバシズマブ 6.2%
FOLFOXのみ 4.8%

XELOX+ベバシズマブ 5.2%
XELOXのみ 2.1%

FOLFIRI+ベバシズマブ 52.3%
FOLFIRIのみ 4.8%

SOX+ベバシズマブ 1.7%
SOXのみ 0.0%

IRIS+ベバシズマブ 12.4%
IRISのみ 1.7%

XELIRI+ベバシズマブ 3.1%
XELIRIのみ 1.0%

イリノテカン+ベバシズマブ 1.7%
イリノテカンのみ (設問なし)

※回答は抜粋

「BBPを行っている医師は全体で83.4%(中略)、RAS変異型患者の2次治療ではベバシズマブが多く使われ、BBPも高率に行われていることが明らかになった」とのこと。選択肢が限られているから、仕方ないですよね。

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最後に3次治療のレジメン。これはかなり選択が分かれている感じです。


<3次治療レジメン>

【設問】2nd line化学療法を実施し、増悪が認められた場合の3rd line化学療法として、先生が主に選択されるレジメンを以下から1つ選んでください。


XELOXのみ 7.3%
FOLFIRIのみ 2.9%
XELIRIのみ 0.5%
SOXのみ 4.5%
IRISのみ 4.2%
5FU/LVのみ 2.4%
イリノテカンのみ 4.7%
抗EGFR抗体のみ 5.8%

レゴラフェニブ 19.4%
TAS-102 13.6%

イリノテカン+抗EGFR抗体 17.3%
BSC(Best Supportive Care) 8.4%

その他 8.9%

レゴラフェニブ(スチバーガ)、イリノテカン+抗EGFR抗体、TAS-102(ロンサーフ)が健闘。レゴラのほうがTASより少し多いんですね。ちょっと意外。

これも個人的な意見ですが、レゴラフェニブ、TAS-102は4次治療以降にとっておきたいかな。

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(ご参考)
◆(情報)ベバシズマブ(アバスチン)継続投与の効果(BBP)について
(2013年8月21日のエントリー)
http://ameblo.jp/harumochi555/entry-11596928712.html


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