TS-1+アバスチン療法26クール目の16日目。本当は昨日のTS-1の服用で休薬期間突入のはずだったのですが、今回2回飲み忘れがあったので、今朝ようやく1日遅れで服用が終了しました。

体調は、先週末からの無理とそれに伴う体調不良もありイマイチ。とは言え、普通に会社行って、食事して・・と、それほど大きな問題はありません。最近、朝5時ころにワンコに起こされるので、寝不足で困っています。

さて、5月28日からシカゴで開催されていたASCO(米国臨床腫瘍学会)。いろいろ発表がありました。下記で速報レポートが掲載されているので、お時間あればぜひ見てくださいね。

◆癌Experts「ASCO 2015速報」
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/cancer/news/

◆GI cancer-net「海外学会速報レポート 2015年6月シカゴ」
http://www.gi-cancer.net/gi/report/beirinsyo2015/index.html

個人的には、免疫チェックポイント阻害剤関連の発表が気になります。

最近知ったのですが、免疫チェックポイント阻害剤って、ざっくり20-30%の患者にしか効果がないそうです。んー、意外に低い。

しかも、高いんですよね。標準的な体重で1年間ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の投与を受けると、それだけで1500万円を超えるそう。大変です。保険収載だって、しっかりと検討しないと・・ということになりますよね。

下記にもあるように、バイオマーカーがようやく同定されつつありますが、ちゃんと効果のある人を見極めないとダメですよね。

ただ、ゲノムは不安定で、次々と新しい変異を獲得しているし、いろいろな条件によって変異が確認できたりできなかったりするケースもあるそう。PD-1が発現しているかと思いきや、タイミングによっては発現してなかったり・・どうやら、そういうものなんですね。

抗がん剤治療によっても、どんどん遺伝子が変異を獲得していくわけですからね。遺伝子ちゃん、なかなか一筋縄ではいきません。もうちょっと大人しくしてくれていればいいのに、難しい奴です。

下記、ASCOで発表されたものから気になる記事をピックアップしておきます。癌ExpertsとGI cancer-netの両方に掲載されていたものは、両方のURLを記載しています。

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◆DNAミスマッチ修復の欠損が抗PD-1抗体pembrolizumabの幅広い癌種での効果予測因子となる可能性【ASCO2015】
(2015年5月31日、癌Experts)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201505/542333.html

◆ミスマッチ修復機構欠損を有する腫瘍におけるPembrolizumab療法の第II相試験
(GI cancer-net)
http://www.gi-cancer.net/gi/report/beirinsyo2015/report/LBA100/index.html

これは、一番注目すべき記事ですね。癌Expertsの記事では、冒頭から「DNAミスマッチ修復(MMR)の欠損が抗PD-1抗体pembrolizumabの幅広い癌種での効果予測因子となる可能性が明らかとなった」とありますが、よく意味が分かりません(笑)。

とにかく、「特に大腸癌患者ではMMR欠損患者では62%が腫瘍縮小したのに対し、異状のない患者では奏効した患者はいなかった」とのこと。pembrolizumabの奏効に関わるバイオマーカーが同定された・・というのは大きいことですね。どんどんこうしたマーカーが明らかになるといいですね。

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◆標準治療抵抗性の進行大腸癌にTAS-102とベバシズマブの併用は有効な可能性【ASCO2015】
(2015年6月2日、癌Experts)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201506/542398.html

◆標準治療不応後の切除不能進行・再発大腸癌に対するTAS-102とBevacizumab併用療法の医師主導第I/II相臨床試験 (C-TASK FORCE)
(GI cancer-net)
http://www.gi-cancer.net/gi/report/beirinsyo2015/report/3544/index.html

まだフェーズ1/2の段階ですが、OS中央値48.6週、25人中10人に腫瘍の縮小が見られたそう。いい話題ですね。この効果がしっかりと確認されたら、今後、TAS-102(ロンサーフ)はベバシズマブ(アバスチン)と一緒に使われることになっていきそうです。

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◆進行黒色腫患者のファーストライン治療としてニボルマブとニボルマブ+イピリムマブはPFSと奏効率を改善
(2015年6月1日、癌Experts)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201506/542364.html

免疫チェックポイント阻害剤の併用の試験が、あちこちで行われていますね。やはり併用するとよい結果がでるようです。ただ、単剤だってすごい金額なのに、さらにお金かかりますよねぇ・・。どうするんでしょ?

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◆HER2増幅KRASエクソン2野生型進行大腸癌にトラスツズマブとラパチニブの併用が有効な可能性【ASCO2015】
(2015年6月1日、癌Experts)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201506/542356.html

◆HER2陽性切除不能進行・再発大腸癌患者に対するTrastuzumabとLapatinibの併用療法:HERACLES trial
(GI cancer-net)
http://www.gi-cancer.net/gi/report/beirinsyo2015/report/3508/index.html

トラスツズマブとラパチニブ、どちらも初耳です。これ以上増えたら、覚えられない(笑)。

この試験は、HER2陽性の患者限定で標準療法に抵抗性となった進行大腸癌を対象としたもの。フェーズ2の試験の結果ですが、23人中8人で奏効、1人が完全奏効(良かったね!)、7人が部分奏効。奏効率34.7%だそうです。

数字としては微妙ですが、標準治療に抵抗性となった人が対象ですから、そう考えれば大きな数字です。

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