TS-1+アバスチン療法11クール目の10日目、ぼちぼち好調です。本当に今クールは調子がいいです。ずっと調子が悪かった前クールと大違い。

さて、レゴラフェニブ(スチバーガ)単剤による有効性と安全性を評価した、フェーズ3のCONCUR試験の発表があったようなのでシェア。

6月末に開催された第16回世界消化器癌学会(WCGC2014)における、中国Fudan University Cancer HospitalのJin Li氏による発表です。

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◆標準治療施行後に進行した大腸癌のアジア人患者でもレゴラフェニブがOSを改善【WCGC2014】
(日経メディカルOnline、2014年7月1日)
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対象は、中国、香港、台湾、韓国、ベトナムの25施設から登録された転移を有する大腸癌患者で、プラセボも含め全部で204人。日本人はいないようです。

結果として、OS(Overall Survival、全生存期間)を改善し、プラセボと比べて死亡のリスクを45%低下させることが示されたようです。何よりです。

ただ、病勢のコントロールはできるものの、腫瘍縮小効果はあまり期待できないんですよね。

記事によれば「完全奏効(CR)はなく、部分奏効(PR)はレゴラフェニブ群4.4%、プラセボ群0%、安定状態(SD)はそれぞれ45.6%と7.4%となった。病勢コントロール率(DCR)はレゴラフェニブ群51.5%、プラセボ群7.4%だった」とのこと。

有害事象も多い気がします。記事によると「死亡、入院を要する事象、顕著な障害などで定義した重篤な有害事象は、レゴラフェニブ群の31.6%に発現した」そうです。

以前、僕の主治医に聞いた話では「そもそも設定されている用量が多いのではないかと言われている」とのこと。記事では「レゴラフェニブ群では、有害事象により用量の調整を要したのは71.3%、治療中止となったのは14.0%だった」との記述がありました。

少なくとも有害事象を考えると、比較的少なそうなTAS-102(ロンサーフ)を先に使ったほうがいいんじゃないの?と思えます。

下記の記事にあるように、同じくWCGC2014で発表のあったTAS-102について、フランスの先生が「より早期に使用することになるだろう」と言っています。

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◆TAS-102が進行・再発大腸がん患者の生存期間を延長
国際共同第Ⅲ相臨床試験RECOURSE
(MT Pro、2014年7月1日)
(以下引用)
仏・Institut de Cancérologie de l’Ouest (ICO)René Gauducheau 腫瘍内科のJean Yves Douillard氏は(中略)「TAS-102は極めて有望で、忍容性も良好である」とした上で、「今後、同薬をより早期に使用することになるだろう。(中略)」と述べた。

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今のところ、レゴラフェニブは標準治療に組込まれており、TAS-102は組込まれていません。また、TAS-102の添付文書には、下記のように記載されています。

◆添付文書「効能・効果」欄
「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」

◆添付文書「使用上の注意」欄
「本剤の一次治療及び二次治療としての有効性及び安全性は確立していない」

現状、ある意味賢明な医師は、レゴラフェニブを使ってからTAS-102を使うでしょうね。そのほうが、万が一、何かがあっても後ろ指を差される可能性が低くなります。でも、すぐに流れは変わるかも知れませんね。