TS-1+アバスチン療法11クール目の3日目、お昼を食べたばかりですが、今のところ好調です。
さて、今、個人的に注目しまくっているゲノム解析。日経デジタルヘルスに興味深い記事が掲載されていました。東京大学 医科学研究所ヒトゲノム解析センター教授、宮野悟氏のインタビュー記事です。
◼︎ゲノム解析は“研究費”から“医療費”へ――誰もが自分の遺伝情報を利用できる時代に
(2014/06/23、日経デジタルヘルス)
下記、記事から抜粋します。
⚫︎「従来のゲノム解析分野で主流だったコホート研究は、被験者にとってはいわばボランティアでした。(中略)対して、ここにきて始まったのは“クリニカル(臨床)シーケンス”。何らかの疾患をわずらっている患者のゲノムを解析し、その結果を患者個人に返して治療方針の決定などに活用するというものです。」
ゲノム解析が「患者のために利用されるようになった」と言うことですね。乱暴にいえば、大腸がんのKRAS遺伝子検査もこの流れですよね。記事では、この事がお金の出所を大きく変えると言っています。まさにその通りですね。
⚫︎「従来は、学術研究のための「研究費」が投じられてきた。これに対し、臨床シーケンスが始まることで、「医療費」という巨大なお金が投下される環境が整ってきたわけです。」
医療は、いつの時代も不況知らず。とてつもないお金が、ゲノム解析に流れるようになりつつあるんですね。
記事では、ゲノム解析によって得られる患者の恩恵として、二つの例を挙げています。
⚫︎原因不明の難治性疾患を患っていた子供に対してゲノム解析を行った結果、1万6000の遺伝子変異が見つかり、さらに絞り込んで疾患の要因を突き止めた。非常にまれな血液疾患だったが、造血幹細胞移植によって治療を行うことができた。
⚫︎ワシントン大学に所属する白血病の研究者が自ら白血病にかかってしまった。ゲノム解析によって腎臓がんの分子標的薬として承認されている「スーテント」が有効な可能性が分かり、白血病が寛解した。
ゲノム解析は、今後、がんの治療にとってメインのファクターになって来ると思います。まさに、がん=遺伝子の疾患ですからね。
⚫︎「人ががんになる要因はいくつもあるのですが、(1)個々人の遺伝的要素、(2)腫瘍細胞に蓄積した遺伝子変異、(3)環境要因によるゲノム修飾の変異、に大別できる。がんは、これらの要因で引き起こされる生体の“システム異常”であり、ゲノム解析が貢献できる余地が大きいのです。」
下記のプロジェクトも進んでいるようです。人類ががんを制圧するのも、時間の問題かも知れません。
⚫︎「2008年には、主要ながんのゲノム異常のカタログを作成する国際プロジェクト「国際がんゲノム計画」が始動しました。約50種類のがんについて、計5万人分のゲノム情報を解析するプロジェクトです。」
人類、頑張れ!