TS-1+アバスチン療法8クール目の16日目(休薬2日目)、引き続き好調です。

さて、昨年の49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で発表された、New EPOC試験というフェーズ3の試験が気になったのでメモしておきます。

KRAS野生型の切除可能な肝限局性転移を有する大腸癌を対象に、術前・術後(各12週間)に化学療法単独を行なった場合と、化学療法+セツキシマブ(アービタックス)を行なった場合を比較したもの。

結果は、化学療法単独の場合、PFS(無増悪生存期間)中央値が20.5カ月、化学療法+セツキシマブの場合14.1カ月。OS(全生存期間)は、前者が未到達、後者が39.1カ月。つまり、「KRAS野生型の切除可能な肝限局性転移を有する大腸癌に対して、術前・術後の化学療法にセツキシマブを併用することは、予後に悪影響を与える」という結果でした。

下記のPDFの4ページ目から、とても簡単に分かりやすく書かれています。下記では「KRAS野生型の患者の中にもセツキシマブが有効でない人がいる、逆に言うと、KRAS野生型のすべての患者にセツキシマブを投与することが良いわけではないことを示しています」とまとめています。少なくとも文中にもあるように「(肝限局性転移の切除の)術後に分子標的薬を投与することは予後を改善しない」ということは言えるんでしょうね。

◆エリアレビュー・胃癌、大腸癌 新たな展開を見せた大腸癌のファーストライン【ASCO2013】
(2013年7月19日、癌Experts、三沢市立三沢病院事業管理者 院長事務取扱 坂田 優氏 )
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/data/cancerex/asco2013_sakata.pdf
※PDFです。

こういったケースは、本当に肝転移症例だけなの?などと考えると、何だか悩ましいですね。少なくとも、治療がかえって悪影響を及ぼす可能性があることを、しっかりと認識しておかなければいけません。



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