TS-1+アバスチン療法6クール目の18日目、ぼちぼち好調です。今日もスポーツクラブでやりたくもない(笑)ストレッチ、筋トレ、ウォーキングをしてきました。

2日連続で筋トレまでしたのは、下記の書籍を読んだ影響です。

■「ジエンド・オブ・イルネス 病気にならない生き方」
デイビッド・B・エイガス/クリスティン・ロバーグ著、野中香方子訳、日経BP社刊

この本は、どうすれば病気にならずに済むのか、どうすればもっとも健康な状態を保ち長生きすることができるのかを解説した本です。416ページもあって字も小さいので、かなり読み応えがありました。米国ではベストセラーになっているようで、確かにアメリカ人が好みそうな内容です。

著者のエイガスさんは、医学博士でがんの研究者。スティーブ・ジョブズの医師も務めたそうです(亡くなっちゃったじゃん・・というのは、この際言わないでおきましょう)。もう一人の著者はライターさんのようです。この本をまとめた人ですかね?

徹底して「エビデンス主義」をとっています。しかも、数多くのエビデンスの中から信頼できるデータを選り分けて、結論をだしています。その結果、例えば「ビタミンなどのサプリは、体に良いどころか悪影響の方が大きい」など、目から鱗、驚きの結論が出ています。

今までマルチビタミンを毎朝飲んでいましたが、いま残っているものを飲んだら辞めます(笑)。エビオスは?レスベラトロールは?どうしようか困っちゃいます。

ということでとてもオススメの書籍なので、よろしければぜひ読んでみてください。下記、記録しておきたい点や記述をメモします。

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<自らの体と健康をコントロール>

この本の目的は「自らの体と健康をコントロールできるようになること」だそうです。下記の健康チェックリストでまずはチェックして、医師と相談しながらセルフコントロールを始めよう、と言っています。

■健康チェックリスト(英語です。書籍には日本語で掲載されています)
http://davidagus.com/wp-content/uploads/2012/01/DrAgus-PersonalHealthInventoryQuestionnaire.pdf

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<がんについて>

著者は、がんなどの病気は「体のシステムが機能不全になった」もので、「かかる」ものではなく、「体ががんという状態になる」と言っています。がんは自分の体が変化したものだということですね。

また、がんに関して気になった記述が2つありました。

●乳がんを外科的に除去した人に、抗ホルモン剤とゾレドロン酸(骨を育てる薬)を投与した結果、がんの再発率が36%低下した。

●ビスホスホネート(骨粗しょう症治療薬)を1年以上投与された人は、大腸がんのリスクも下がる。

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<医師との面談について>

外来を受けた「その日・その時」の体の状態ではなく、日ごろの体の状態、服用している全ての薬などの情報が揃ってはじめて、医師は適切な診断ができるとのこと。がん患者であれば、なおさら大切なことですね。

また、医師との面談の際は、友人や家族を伴うべきだとも言っています。医師の説明責任は増し、患者はもう一つの耳を持つことになり、気が楽になり記憶もしやすくなるとのこと。また、それができなければ、しっかりとメモをとったり録音したりすることを勧めています。

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<遺伝子検査>

家族の健康歴を調べるとともに、遺伝子検査をすることを勧めています。遺伝子検査は、遺伝的リスク要因を調べるもので、その結果は運命と捉えるべきものではなく単に確率の高さを示すものであると言っています。

疾患別に見た環境要因と遺伝要因の割合が掲載されていました。いくつかピックアップします。肺がんって環境要因が大きいんですね。

●疾患、環境要因、遺伝要因、の順

●アルツハイマー、38%、62%
●肥満、33%、67%
●大腸がん、65%、35%
●緑内障、13%、87%
●肺がん、86%、14%

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<ビタミンなどのサプリメント>

ビタミンを始めとするサプリメントは、「効果がない」としています。また、こうしたビタミンやサプリメントの摂取は、体の恒常性(ホメオスタシス)を保つ自然の働きを阻害してしまうだけでなく、予期せぬ別な作用も招く可能性がある・・と言っています。

ビタミンD、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、マルチビタミン、セレン、リコピン、などさまざまなビタミンやサプリメントに否定的な見解を示しています。気になる記述をピックアップします。

「ビタミンCはがん予防には役立つが、がんを発症した人にとっては天敵となる。腫瘍はビタミンCが大好物なので、がんを抱えているときにビタミンCを過剰摂取すると、がんと戦うどころか、がんに餌を与えることになりかねないのだ。」

「過去数十年間の、被験者が1000人以上の規模のビタミン研究のほぼすべてが、がんのリスクの上昇を示している。・・(中略)・・本来、体は、がん細胞も含めた悪い細胞を攻撃するフリーラジカルを作るのが好きなのだ。大量のビタミンや、派手に宣伝されている抗酸化物質を摂取してそのメカニズムを止めると、自らをコントロールしようとする体の力を奪うことになる。生理学的なプロセスをストップさせ、未知のシステムを妨害することになるのだ。」

※抗酸化物質というのは、例えば、アスコルビン酸、カテキン、フラボノイド、グルコースなどです。

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<摂取を検討すべきもの>

医師と相談の上、摂取を検討すべきものとして下記の2つを上げています。下記についても、効果がある一方で別な作用もあるが、プラスの面が大きいとしています。いずれも抗炎症作用が奏功するのではないかとのことです。

●アスピリン
少量のアスピリン(鎮痛剤)を服用すると、一般的ながんにかかって死ぬ確率が低くなる。

●スタチン
スタチン(コレステロール降下剤)は、心臓発作や脳卒中など動脈にかかわるリスクを劇的に低下させる。

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<食事・食材について>

すべての食材は、収穫後や捕獲後にすぐに劣化し始めるので、入荷後すぐに購入し、なるべく早く食したほうがいいとしています。また、冷凍食品は新鮮さと栄養分を保つ技術が進化しており、また、食物にとって最良な時期・タイミングで加工・冷凍されることから、中途半端な生の食材よりも摂取に適するとしています。言われてみれば、確かにそうかもしれません。

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<炎症>

炎症がさまざまな病気のリスクを高めるとしています。風邪やインフルエンザに罹らないよう、できるだけ注意することが必要だとのこと。

「本来、炎症は、ばい菌やウイルスや毒素の侵入に対抗するための自然な防御反応なのだが、度を超すと体に害を及ぼす。」

「炎症の嵐が2週間続くだけで、生涯にわたって数多くの病気にかかるリスクが高まる。これには肥満、心臓発作、脳卒中、がんも含まれる。たちの悪い季節性の風邪やインフルエンザと戦う時、体内ではそのような嵐が吹き荒れているのだ。」

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<生活と運動>

運動については、有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチを含むバランスのとれた包括的な運動プログラムを推奨しています。また、長時間座り続けることは健康にとって危険だと言っています。なるべく階段を使ったり、歩きながら電話をしたりするなど工夫をすべきだとのこと。

また、規則正しい生活が重要だと述べています。体が好むものの一つは「予測可能性」で、スケジュールの規則性が失われることが体にとっての最大のストレスになるそうです。食事、睡眠、運動を、365日、ほぼ同じ時間に行うという規則正しい生活を送ることが重要だとしています。

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<すぐにできること>

「がんや晩年の認知症のリスクを減らすために、今すぐできることのベスト10」として下記が書かれています。

●できるだけ自然に近い食物を食べる
●ビタミンやサプリメントを飲まない
●アスピリンとスタチンの摂取について医師に相談する
●指示されたがん検診を受ける
●運動を習慣化し、毎日よく体を動かす
●除脂肪体重(筋肉や骨、内臓)を増やす
●禁煙する
●日焼けを防ぐ
●炎症の原因となるものを避ける
●毎年インフルエンザの予防接種を受ける

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以上


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