昨日の厚生労働省の発表で、レゴラフェニブ(スチバーガ)の投与を受けた患者4人が、劇症肝炎や間質性肺炎を起こして死亡したとのことです。厚生労働省は、バイエル薬品に対し添付文書の改訂と注意喚起の徹底を指示したとのこと。

◆大腸がん薬投与後4人死亡、厚労省が注意改訂を指示
(2014年3月26日、msn産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140326/bdy14032618090000-n1.htm

厚生労働省が作る「医薬品・医療機器等安全性情報311号」に詳しく掲載されています(PDFファイル)。レゴラフェニブに関する情報は、11ページ目から掲載されています。

◆医薬品・医療機器等安全性情報311号
(厚生労働省、2014年3月26日)
http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/311.pdf

上記によれば、劇症肝炎と間質性肺疾患は、平成25年5月の販売開始から平成26年1月の直近8カ月間の副作用報告で、因果関係が否定できないもの。劇症肝炎が2例(うち死亡2例)、間質性肺疾患が5例(うち死亡2例)。ちなみに、バイエル薬品が推計したおおよその年間推定使用者数は、約2600人とのこと。

また、上記には症例の概要として下記の2例が掲載されています。

●30代女性、結腸がん。1クール(1日1回160mgの経口投与を3週間、その後1週間休薬)終了後、発熱と黄疸で入院。その後約1週間で死亡。
●60代男性、直腸がん。投与6日目にCRP高値でCT撮影し間質性肺炎と診断。その後約2週間で死亡。

抗がん剤に死亡例はつきものですが、少なくとも何か異常があればすぐに医師に相談したり、また、投与量を調整(減薬)する・適宜休薬するなど患者側が積極的に治療に関与して、しっかりと自己防衛に努めることが必要と思われます。



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