(メモ) オキサリプラチン(エルプラット、L-OHP)の効果効能と副作用

今日からSOX+アバスチン療法の6クール目に入ります。そろそろオキサリプラチンによる副作用が本格化する兆しをみせてきました。この機会にまとめておきます。


主治医によれば、効果が出ているので基本的にはファーストラインとして選択したSOX+アバスチン療法を今後も継続してゆくとのこと。ただし、オキサリプラチンだけは副作用を見ながら休薬を検討する(TS-1+アバスチンの2剤による治療とする)とのことです。


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<オキサリプラチンの効果効能と副作用>
(エルプラットの添付文書から)


下記は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されているエルプラットの添付文書から抜粋したものです。抜粋していますので、あちこち抜けがあります。また、自分のコメントや他のサイトなどからの情報を追加しています。

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4291410A1029_1_06/4291410A1029_1_06?view=body


■薬効分類名

抗悪性腫瘍剤


■規制区分
毒薬
処方せん医薬品
→「毒薬」なんだ!(笑)。副作用が辛くて当たり前ですね。

■効能又は効果

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
結腸癌における術後補助化学療法


■用法及び用量
1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常成人にはオキサリプラチン85mg/m2(体表面積) を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬、又は130mg/m2(体表面積) を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。


→体表面積は、下記のサイトで計算可能です。身長と体重を入力するだけです。
http://www.osaka-med.ac.jp/deps/in1/res/calc/bsa.html
Fujimoto式とDu Bois式があるようですが、化学療法の基準にする場合は、Du Bois式を利用した方がいいそうです。


→僕の体表面積は、身長183cm・体重65kgでDu Bois式で1.85㎡でした。当初から80%に減薬しており、1回あたり約100mg/㎡の投与です。現在までに5クール終了していますので500mg/㎡の投与を受けていることになります。


■重要な基本的注意
1. 手、足や口唇周囲部等の感覚異常又は知覚不全 (末梢神経症状) が、本剤の投与直後からほとんど全例にあらわれる。また、咽頭喉頭の絞扼感 (咽頭喉頭感覚異常) があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。患者に対しては、これらの末梢神経症状、咽頭喉頭感覚異常は、特に低温又は冷たいものへの曝露により誘発又は悪化すること、多くは本剤の投与毎にあらわれるが休薬により回復する場合が多いことを十分に説明するとともに、冷たい飲み物や氷の使用を避け、低温時には皮膚を露出しないよう指導すること。


2. 末梢神経症状の悪化や回復遅延が認められると、手、足等がしびれて文字を書きにくい、ボタンをかけにくい、飲み込みにくい、歩きにくい等の感覚性の機能障害 (外国では累積投与量850mg/m2で10%、1,020mg/m2で20%に認められたと報告されている) があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、感覚性の機能障害があらわれた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。


→1クール3週間、1クールごとに130mg/㎡の投与量(通常の投与量)だと、6~7クール目で10%、8クール目で20%に悪化が見られるということですね


→僕の場合は投与量が100mg/㎡と少ないので、8~10クール目くらいから可能性が出てくることになります。


→別途、福岡大学の資料による情報があります。後述の「重大な副作用(国内)」に記します。


3. 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、定期的に臨床検査 (血液検査、肝機能検査、腎機能検査等) を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。


5. 気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等の重篤な過敏症状があらわれることがあり、重篤な過敏症状は本剤を複数回投与した後に発現する場合や、本剤の投与から数時間後に発現する場合があるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに中止し適切な処置を行うこと。


→後述の「重大な副作用(国内)」に詳細を記します。数クール経過後に発現することが多いようなので注意が必要です。


6. 感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。


→今クールで鼻血が出ました。医師に相談しましたが大きな問題ではなさそうです。


7. 悪心、嘔吐、食欲不振等の消化器症状がほとんど全例に起こるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。


味覚障害のことは、どこでもあまり大きな問題にしていませんね。患者にとっては結構大きな問題なのに・・・。


8. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。


→いまさら子供を作ろうと思っているわけではありませんが、これは知りませんでした。


■副作用
副作用発生状況の概要


【外国臨床試験 (FOLFOX4法)】
 米国では、化学療法未治療例及び化学療法既治療例の結腸・直腸癌を対象とした第III相臨床試験が実施された。これらの試験において、本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法 (FOLFOX4法) の投与群では、投与後30日以内に化学療法未治療例では全投与症例259例中8例 (本治療との因果関係の有無を問わないものも含む)、化学療法既治療例では全投与症例150例中3例 (本治療との因果関係が否定できないもの) の死亡例がそれぞれ認められた。FOLFOX4投与群における安全性評価症例618例中、認められた主な有害事象、副作用は次表(下記)のとおりであった。


若干ですが、死亡例があります


<副作用の発生状況>
米国におけるFOLFOX4の第III相臨床試験の化学療法未治療例(259例)の副作用発生状況です。上記には618例とありますが、下記は化学療法未治療例の259例の状況を抜粋して記します。


●血液
白血球減少 85%
好中球減少 81%
ヘモグロビン減少 27%
血小板減少 71%


●消化器
下痢 56%
悪心 71%
嘔吐 41%
食欲不振 35%
口内炎 38%
便秘 32%
腹痛 29%


●肝臓
AST(GOT)上昇 17%
ALT(GPT)上昇 6%
総ビリルビン上昇 6%


●精神神経系
末梢神経症状 82%
(機能障害に至ったもの19%)


●その他
疲労 70%
咳 35%
脱毛 38%


■重大な副作用(国内)
 副作用発現頻度は、承認時までの国内の単独投与臨床試験 (66例)、国内のFOLFOX4法等での併用投与臨床試験 (18例) 及び市販後の承認条件に基づく使用成績調査 (調査実施期間: 平成17年4月~平成20年3月、集計対象例数: 4,998例)、国内のXELOX法及びXELOX法とベバシズマブ併用療法 (XELOX法+BV) での臨床試験 (64例) の結果から記載した。なお、FOLFOX4法等での外国で実施された第III相臨床試験のみで発現した有害事象、市販後の自発報告で報告された副作用及び国内では報告されていないが外国添付文書に記載のある副作用は、頻度不明として記載した。


(1) 末梢神経症状
 手、足や口唇周囲部の感覚異常又は知覚不全 (末梢神経症状: 単独投与時100%、FOLFOX4法等投与時46%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時94%)、咽頭喉頭の絞扼感 (咽頭喉頭感覚異常: 単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時12%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時8%) があらわれるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
 末梢神経症状の悪化や回復遅延が認められると、手、足等がしびれて文字を書きにくい、ボタンをかけにくい、飲み込みにくい、歩きにくい等の感覚性の機能障害 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時1.3%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、感覚性の機能障害があらわれた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。


→福岡大学の資料 http://www.hop.fukuoka-u.ac.jp/upfiles/syuyo/seminar20110921-03.pdf によれば、末梢神経障害発現は、426mg/㎡以上(5-6コース目)で発現が増加し、投与量中央値は703mg/㎡。機能障害を伴う重篤な末梢神経障害発現までの投与コースの中央値は9コースとのこと。


→僕の場合は、7クール目(700mg/㎡)からじんわり、12クール目(1200mg/㎡)からどっかん、という感じでしょうか?。


→一方、7月2日のブログで紹介した「がん治療の虚実」からの引用では、「トータル1000mg/㎡以上は不可逆的になるので危険」とあります。僕の場合は900mg/㎡となる9クール目くらいで辞めておくのが無難かもしれません。
http://ameblo.jp/harumochi555/entry-11565296157.html


(2) ショック、アナフィラキシー様症状
 発疹、そう痒、気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等を伴うショック (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時0.9%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明)、アナフィラキシー様症状 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時1.2%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、過敏症状 (気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等) が認められた場合には、投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。


→福岡大学の資料 http://www.hop.fukuoka-u.ac.jp/upfiles/syuyo/seminar20110921-03.pdf によれば、アレルギー反応は数クール経過後に発現することが多いとのこと。今後、気をつけなければいけません。
●発現時期
・発現までの投与コース中央値:8コース(範囲:1-20コース)
・発現までの投与量中央値:591mg/㎡
投与開始から発現までの時間は30分以内が多い。
上記の場合、直ちに投与を中止し、回復後の再投与は基本的に行わない。


(3) 間質性肺炎、肺線維症
 間質性肺炎 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時0.2%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明)、肺線維症 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時0.1%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明) があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。


(4) 骨髄機能抑制
 汎血球減少 (頻度不明)、血小板減少 (単独投与時47%、FOLFOX4法等投与時34%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時23%)、白血球減少 (単独投与時44%、FOLFOX4法等投与時49%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時14%)、好中球減少 (単独投与時36%、FOLFOX4法等投与時43%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時52%)、貧血 (ヘモグロビン減少: 単独投与時32%、FOLFOX4法等投与時27%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時5%) があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。


(5) 溶血性尿毒症症候群
 血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時0.02%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明) があらわれることがあるので、定期的に血液検査及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(6) 薬剤誘発性血小板減少症
 免疫学的機序を介した血小板減少症 (頻度不明) があらわれることがあるので、紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(7) 溶血性貧血
 免疫学的機序を介したクームス試験陽性の溶血性貧血 (頻度不明) があらわれることがあるので、黄疸等の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(8) 視野欠損、視野障害、視神経炎、視力低下
 視野欠損 (単独投与時1.5%、FOLFOX4法等投与時0.02%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明)、視野障害 (頻度不明)、視神経炎 (頻度不明)、視力低下 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時0.02%、XELOX法及びXELOX法+BV投与時 頻度不明) 等の視覚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(9) 血栓塞栓症
 血栓塞栓症 (単独投与時 頻度不明、FOLFOX4法等投与時 頻度不明注1)、XELOX法及びXELOX法+BV投与時3%) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(10) 心室性不整脈、心筋梗塞
 心室性不整脈 (頻度不明)、心筋梗塞 (頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(11) 肝静脈閉塞症
 肝静脈閉塞症 (VOD: 頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。


(12) 急性腎不全
 間質性腎炎 (頻度不明)、尿細管壊死 (頻度不明) 等により、急性腎不全 (頻度不明) 等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腎機能検査値 (BUN、血清クレアチニン値等) に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(13) 白質脳症 (可逆性後白質脳症症候群を含む)
 白質脳症 (可逆性後白質脳症症候群を含む) (頻度不明) があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(14) 高アンモニア血症
 意識障害を伴う高アンモニア血症 (頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


(15) 横紋筋融解症
 横紋筋融解症 (頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。


3. 投与時


(2) 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。


→おおっ、これは気をつけないといけませんね。


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(以上終わり)




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