少しでも、台所に立った経験がある方なら、おわかりかと存じますが・・・
「今日は、これが食べたい!」と、メニューを決めてから、素材を揃えるのか、
「今日は、これを使おう!」と、使う素材を決めてから、メニューを考えるのか。
熟練になると、今日はこんな気分だな~ あ、ちょうどこれが余ってるし、あとはあれを買い足せばいいわ、と、ものすごい早さで、今晩の献立てが浮かぶのかと思いますが
料理初心者にとっては、コロンブスの卵の段階が、とっても肝心なところ。
メニューを決めて、買い出しに行って、いざ料理して、ふと見ると
「余った野菜、どうしよう・・・」
大家族で、毎食、料理する家庭なら、余り野菜があっても、なんにも困らず、次の献立てに回せばいいのですが
一人暮らしで、たまにしか料理をしない人は、この「余りもの」に、胸が痛みますよね・・・
私も、そうでした。
一人分だけだったら、作っても、どうせ余って、もったいないから、と、料理をしない方に傾くか、
二、三人分作って、ストックしながら、なるべく一日に一回は調理しよう!と、料理継続型になるか。
まあ、四苦八苦しながら、料理を続けていけば、
いつのまにか、素材脳と、メニュー脳が、上手に回転するようになり、うんとラクになってきますね。
それにしても、昔の人は、素材脳に、本当に長けていただろうな、と思います。
旬の野菜、しかも、地場ものしか手に入らなかった時代。
素材の選択の余地は少ないわけですが、家庭料理が当たり前で、外食なんてなかった。
それならばと、同じ大根でも、朝と晩で、もしくはお皿ごとに、違った輝きを放てるよう、
台所では、いろんな創意工夫がなされていたのだろうなあ・・・
と、往年の主婦の胸の内に、今日も思いを馳せるのでございました。
茄子の皮が固くなり、秋の深まりを感じますね。