度重なる嵐が
高麗の都のあちらこちらに
その爪痕を残した


やっと晴れたわ


ウンスは廊下から
空を見上げた

昨夜は暴風雨だったので
ウンスはチェヨンとともに
王宮の邸で夜を明かしたが
急なことだったので
心配したヘジャが
朝 早くから王宮を訪れていた


ようございました
お日様が出ると
なんだかほっと致しますねぇ


ヘジャが朝餉の準備をしながら
答えた


うふふ ほんとうね


タンは昨日から
歩いては転び
歩いては転び


一日 お見かけしないだけで
もうこのように
お上手にお歩きになるなんて
さすがは旦那様と奥様の
お子様ですね


うふふ そお?
運動神経がいいのは
きっと父親譲りよ


ウンスは答えて夫を見た


チェヨンは
朝餉の卓についたタンが
匙で上手にお粥をすくって
食べるのを目を細めて見ている
穏やかな優しい微笑み・・・


うまいか?
たくさん食べてからだを
鍛えねばならぬぞ


タンの頭をなでると
タンが 


うまうま〜


そう言って匙をチェヨンの
方に向ける


俺にくれるのか


こくこく頷くタン
チェヨンはお粥がほとんど
こぼれ落ちた匙を
口にくわえた


うまいぞ タン
タンも食え


んまんまあ〜


朗らかにタンは笑った


昨夜は嵐の中
育児室でお預けとなって
拗ねていたチェヨンが
上機嫌になるくらい
熱い夜を過ごした二人
互いにまだ
からだの芯がじりじりしている


今日は屋敷に帰るつもりよ
嵐は大丈夫だったかしら?


はい お庭の木々の
枝葉が随分と落ちましたが
幸いうちの人が木々の
養生をしていたので
倒木は致しませんでした


うふふ
うちの人・・・
いいわね〜
仲良さげで


はっとした顔をしてから


つい 口から・・・


ヘジャは頭を下げた


いいじゃない
夫婦仲がいいのは何よりよ


奥様と旦那様には
及びません


ヘジャはさらりと言い返し
昨日の朝にはなかった
首筋についた
赤い印をちらりと見た


よいか
邪魔するぞ


聞き慣れたはりのある声が
聞こえて
叔母チェ尚宮が姿を見せた


朝餉の支度をさせたが
ヘジャが来ていたか


あら 叔母様
すみません
ヘジャが様子を見に来てくれて
でもせっかくだから
王宮の朝ご飯もいただきます


ウンスは笑って答えた
チェ尚宮はついて来た女官に
配膳させると
タンに近づき言った


タンや
歩けると言うではないか
あとで この大叔母に
見せておくれ
ほれ かわいい靴も
持って来たのじゃ


ネ〜〜〜


タンが匙を振りながら
答えた


まあ さすが早耳
うふふ やっぱりカプシン
買ってあったんですね


当たり前じゃ
それに
この王宮でチェ尚宮の耳に
入らぬことはない


うふふ そうでした


ウンスはぺろっと舌を出した
目の前には朝から豪華な
ご馳走が並んでウンスを喜ばせ
チェヨンは勢いよく
二度目の朝餉を食べ始めた
ウンスに「腹を壊すぞ」と
耳打ちして 笑った
仲の良い甥夫婦を目の当たりに
チェ尚宮は頷いた


ひと月後にはトルチャンチ
タンの初誕生じゃな
チェ家の跡取にふさわしく
盛大に祝わねばなるまい?


そうそう
それを叔母様に伺おうと
思っていたのです
高麗のしきたりは
よくわからないから


しきたりもなにも
いつもウンスは
気にしないであろうが


叔母チェ尚宮は苦笑い


まあ そうだけど・・・
トルチャンチは
天界でも子供の一大イベント
ですもの
やっぱり気合いが違うかも


そうなのか?


チェヨンが横から口を挟んだ


うん そうそう
ホテルで盛大にお客様を招いて
行ったり


ほ?てる?とな?


ああ 式場?
っていうか お祝いする場所の
ことです


不思議そうなチェ尚宮に
ウンスが答えた


まあよい
祝い事は
パク家の婚礼が先であろうし
トルチャンチのことは
気にかけておくゆえ
それよりも・・・だ
よもや・・・とは思うが


ん?


王宮は朝から噂で持ち切り
王妃様も心配しておるので


え?
なに?


このたわけに隠し子がいると
それをウンスに
治療させたと・・・


えええええ〜〜〜〜っ
ヨンに隠し子?
私じゃなくて?
どうしてそんな話に?


ウンスは驚いた顔で
チェヨンを見た
チェヨンも首を傾げている


ウンスの子なのか?
ヨンにそのような隠し子が
おらぬことはわかっているが
もしや 許婚だった・・・
あの者の?


叔母上!!
そのようなわけ
なかろうが
だいたいメヒとは
そのような仲ではなかった
のだ


そうなのか?


朝から何事かと思えば
そのような埒もない
俺の妻はウンスだけ
俺の息子はタンだけだ


ネ〜〜〜



そのころ兵舎では
トクマンがぷるぷる震えて
テマンに言い訳していた


俺じゃないぞ
俺は何も言ってない
ましてや
上護軍の隠し子だなんて
寿命の縮まる嘘を
つく必要があるか?


知らね
うっかり余計なこと
漏らしたんじゃないか?


ぶんぶん首を振るトクマンに
テマンは冷たく言った


上護軍のしごき
覚悟しとけよ


だから 俺じゃないって〜〜


*******


『今日よりも明日もっと』
木の葉を隠すなら 森の中
真実は一つとは限らない?




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


いつのまにか
隠し子騒動の
話がすり替わり・・・
あららの 展開模様

そして書いているうちに
最初に考えたお話と
少し違って来て
haruも現在迷走中 ( ̄_ ̄ i)
大丈夫だろうか??


また
おつき合いくださいませ



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


立て続けに日本列島に
台風が上陸いたしました


台風の被害に遭われた皆様

お見舞い申し上げます
どうぞ一日も早い復旧をと
お祈り致しております


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