夏の暁 其の十参

テーマ:
 
坤成殿に着いたウンスは
とりあえず状況を把握するため
息子のタンを夫に預け
王妃様に目通りを願い出た
 
すぐにチェ尚宮が顔を見せ
チェヨンの横で
じっと立っているタンを見つけると
にこやかに笑った
 
 
タンも 来たのか?
 
 
ばぁば
たんも よ〜〜
 
 
置いていかれそうになった
経験からかタンは口をへの字に
結んでむぅとした風に答えるタン
 
 
そうか そうか
よう来た
ウンスや・・・
身重のそなたを呼びつけすまない
 
 
いえ 主治医なんですから
当たり前のこと
それより叔母様
王妃様は・・・?
産気づいた?それとも
まさか具合が悪い?とか?


ウンスが尋ねると
 
 
それが・・・じゃ・・・な
まずはお部屋に行ってみよ
 

ウンスは女官に連れられ
部屋に向かい
チェ尚宮はチェヨンと
タンとともに
坪庭の椅子に腰掛けると
少し歯切れが悪そうに
チェヨンに話を始めた
 
 
え?
 
 
王妃様のもとに通されたウンスは
思わず声をあげた
 
 
なんで?
 
 
すまぬ 医仙
 
 
王妃様と並んで座る
大妃様が小さくなって
ウンスに言った
王妃様はいつもと変わらず
にこやかにウンスを見た
 
 
王妃はよせと止めたのじゃ
慌てることはないと言うが
妾がそれを振り切って
典医寺に使いを出し
そなたを呼んだ
王妃に何かあってはと
恐ろしゅうて
だが今は王妃の言う通り
何事もないようじゃ
そなたは身重であるのに
すまぬことをした
・・・本当にのぅ
うんうん唸っているように
見えたのじゃ
妾は矢も楯もたまらず・・・
心配でのぅ
 
 
すみませぬ 医仙
急な呼び出し
驚いたことであろう?
 
 
王妃様も申し訳なさそうに
ウンスに言った
 
 
今宵は大妃様の夕餉に招かれ
王様と王妃様と公主様は
大妃様の居所に向かわれ
和やかなひとときを
過ごされたのだが
 
 
チェ尚宮はタンを膝の上に乗せ
頭を撫でながら
ことの顛末を話し始め
タンはヘジャが作った
握り飯をもぐもぐほおばっていた
 
 
会食の最中にな
お腹の張りがあったようで
王妃様はつとめて平然とされていたが
大妃様がたいそうご心配されて
典医寺に使いを出したのだ
急ぎ医仙を連れて参れと・・・な
王妃様は大丈夫だと言われたが
もうそなたの屋敷に使者は
向かった後で
 
 
そうか・・・
ではまだ産気付いた
訳ではないのか?


ああ


だが 
王妃様は産み月であろう?
 
 
そうだが
ウンスも身重
度々 夜中に呼び出されては
体が持たぬであろうと
王妃様が案じておられる
そこでだ
ご出産までは
いっそ集賢殿で寝泊まりしては
どうじゃ?
ばぁばもタンにもすぐに会えるし
良い考えであろう?
 
 
チェ尚宮はタンを見て
目を細めた
 
 
それは叔母上がそうしたい
だけだろうが?
ウンスは屋敷が落ち着くのだ
本当にお産が近づいたら
考えなくもないが・・・
今から王宮暮らしは
どうであろうな
 
 
チェヨンは考えあぐねた
 
 
では今宵も
屋敷に引き返すと言うのか?
行ったり来たりでは
ウンスもタンも疲れてしまうぞ
 
 
使いを止めようと思えば
叔母上ならばできたであろうに
叔母上がタンに会いたかった
だけではないよな?


形成逆転でチェヨンに
詰めよられチェ尚宮の視線が泳ぐ
 
 
そ そのような・・・
ちと間に合わなかっただけだ
 
 
タンはチェ尚宮の膝の上で
子犬みたいに
ちんまり座って
二人の会話を聞いていて
ポツンと言った
 
 
たんも・・・ばぁば
あいたい よ〜〜 


チェ尚宮は上機嫌で言った
 
 
そうか?そうか!
よしよし
タンはいい子じゃ
どこかの薄情な甥とは大違い
 
 
叔母上ときたら・・・
タンには形無しだな
 
 
チェヨンは呆れるように
笑った
 
 
そのようなこと
妻に腑抜けな男に
言われたくはないぞ
 
 
チェ尚宮が言い返した
坪庭の一角で
チェヨンたちの話が
弾んでいる頃
ひとまず
王妃様の診察を行うことにした
ウンスに大妃様は言った


妾は公主が生まれた時のことを
知らぬであろう?
難産だったことは
聞き及んでいたゆえ   
先ほどの王妃の様子を見て
不安になってのぅ
あの頃は
なるべく王様や王妃には
関わらぬ方が良いと思うていたが


声に後悔が滲む


でも今はこんなに仲がいいじゃ
ないですか?
それで帳消しですよ


ウンスは優しく微笑み
王妃様もにこやかに姑大妃に言った


王様とお母上様のお気持ちが
通じあわれたこと
うれしゅう思います
妾の身を案じていただき
うれしゅう思います


ええ   心配な時は
呼んでください
私もその方が安心だもの


その気持ちには礼を言うが
医仙     いえ姉様
そなたも無理してはならぬぞ


変わらず優しい王妃様の言葉に
ウンスが頷き脈診を始めようとした
その時急に
王妃様が大きく顔をしかめた


痛っ
先ほどよりもずっと強い痛みじゃ


お腹を庇うように
前のめりになって
うっすら汗まで浮かんでいる
王妃様


大妃様に
呼んでいただいてよかったみたい
王妃様
お産が始まったようですよ


王妃様は苦痛の中
ウンスを見た


外に誰かいる?
典医寺に使いを出して
チェ先生とサラ先生を
呼んでもらってちょうだい


はいっ


武閣氏が走り去り
入れ替わりにチェ尚宮が戻った


産所の準備は万端だし
予定日はまだ先だけど
経産だから早まるのはよくあること
それにすでに産み月に入っているから
いつ生まれても大丈夫ですよ


ウンスは王妃様の背中をさすり
大妃様に含めるように伝えた


長くなりますからね
休める時に休んで
何か食べれる時に食べて
力を蓄えましょうね
叔母様
王様にお知らせをお願いします
それからヨンにも
タンはどうしています?


ああ
タンならばヘジャが用意した
握り飯を食している
良い子にしているから心配いらぬ
ヨンもついているし


そう言うとチェ尚宮は
康安殿で休まれている王様のもとへ
知らせを走らせた


さて
頑張りましょうか
大妃様の予感
当たりましたね
呼んでいただいてよかった
産所に行きましょうか


ウンスはにっこり笑うと
衣の袖口をまくった


*******


『今日よりも明日もっと』
小さな新しい命
それはかけがえのない人生の始まり


 
 
 
 
 
 
おはようございます
 
またやってしまいましたキョロキョロ
書き始めて
寝落ちしてしまうパターン
ミアネヨ〜
年々体力低下?の模様   えーん


ぼちぼち紡いで参ります
おつきあいくださいませ

ポチッとカムサハムニダ〜
 

にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村


AD