特別多数決議の票読み -2 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

総会を年平均2回とかやって、殆どに特別決議があるというほどに規約をいじりまわすことは好きな理事会ってあんまり多数派ではないのか、”特別決議の票読み”その1には殆どアクセスがなくて、皆新川崎とか、武蔵小杉とかのタワーの間取りや価格表とかばかりみなさん見ているんですが、RJC48のほうでは、続きが読みたいという人も約1名いたのでめげずにその2へ。 

#『特別決議こそ総会の華、これがないと気合いが入らん』とかSNSで書いたら、顧問の管理士さんには異常に受けてた。
 

 総会で扱う議案の多くは、賛成が圧倒的で、ちらほら反対票もあるて程度のものが多い。最初の20-30枚を集計してみれば、おおむね賛成が圧倒的であることが分かったとして、99%とかの確からしさで、賛成率の下限はいくらかを知りたいことは結構ある。
 知ってどうするかというと、分母を全戸としたときに、賛成が3/4を超えるには、何人の議決権を議場に集めないといけないかがわかるんで、どの程度本気モードの集計をするのかがわかるので、
 【総会の出席議決権の全戸に対する割合】 × 【賛成率の下限見積もり】 > 3/4
になるように、議決権行使書を集めるわけです。
 
 開票した数が少なくて、反対が0だの1だのと少ないと統計学の適用範囲外だと考える人も多いんですが、非常に稀に起こる、発生数など離散的な(値が常に整数になる)分布にはきちんとした取扱い方法があります。

 Wikipedia のポアソン分布参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%88%86%E5%B8%83
  『 定数λ>0に対し、自然数を値にとる確率変数Xが
    P(X=k)=λ^k × e^(-λ) /k!
を満たすとき、確率変数Xはパラメータλのポアソン分布に従うという。』

 
 典型的なポアソン分布に従うものには、今はやり(?)の放射能の崩壊とかあって、まぁアボガドロ数とかの原子核から、1秒に100個とかぽろぽろ壊れてくるγ線をガイガーカウンターで測るなんて場合があてはまるでしょう。
 
 平均出現回数がλ回の時に、実際に票読みをしてみたら、たまたま誰も反対しない確率は、
上の説明で X=0 の場合ですから特に式の形が簡単になって、
  P(X=0) = e^(-λ) となります。

 
例) 100万回に1回落ちる旅客機に、100万回のっても墜落を経験しない確率は、平均出現数λ=1 ですから P(X=0)= e^-1 ~ 0.36 になります。必ず死んじゃうように錯覚する人も多いんだけど、2度3度と死ぬ?不運な人もいるわけです。
 
 その1の事例にはこれを利用します。
e^(-2.3) =0.1 ですから、実は平均出現数λが 2.3のときに、たまたま開票したなかに反対の人が誰もいない確率が 0.1 です。 これを利用すれば e^(-4.6) = 0.01 / e^(-6.9)=0.001 になります。

 実は、4,6人平均で反対がいるはずの数集票してみても、たまたま反対0人という結果が偶然発生する確率は 1/100しかない(100回総会をやって1回程度)ということですから、今集計したなかにたまたま反対が0人であった場合には、90%の確からっしさで、平均出現数は2.3人以下、99% の確からしさで4.6人以下、99.9%の確からしさで6.9人以下であるといえます。

 もしも、議場に議決権を100%集めて採決できるなら、この人数が1/4以下であるとこまで集計を進めれば、”議決可能性が高い”という勝利宣言?を出していいことになりますから、集計を始めていって、最初からめくっていったら全員賛成だとして
 2.3/(1/4) =9.2  --> 10票 で90%
 4.6/(1/4) =18.4 --> 19票 で99%
 6.9/(1/4) =27.6 --> 28票 で99.9%
の確率で、全体の賛成率は 3/4 よりも高いと判断できるわけです。
マンションの戸数が十分に大きければ、総戸数は関係なくなります。
  
 ここまでがその1の答。
 
 実際のケースに適用するには、
 (1) 議場に出席する票の割合が90% とか100%でない場合は?
 (2) 実際に最初数10枚議決権行使書を見てみたら1-2枚反対票もあった場合は?

とかに対応できないといけないですね。 
 実際に RJC48の掲示板でも、よく特別決議を実施する~1000戸級いマンションの理事長さんから質問がありました。
 
 ここまで基本を押さえておけば、あとは簡単なんですが、
その3では、
 『 1000戸のマンションで、特別決議成立を目指す。
   議決権行使書を最初30枚めくってみたら反対が1人だけいた。
   95%以上の確からしさで可決できると判断するためには、
   何人分の議決権を議場に集めればよいか? 』

 という問題を解いてみましょう。
 
 うちは500戸ほどですが、議決権行使書集めは2週間以上をかけて集めます最初の数日にでてきたもので、その先10日間でどのていど頑張る(最悪は、夜討ち朝駆けで、未提出住戸へのピンポンダッシュも辞さず)のかがわかるので、私は可決確率を意識した票集めは大事だと思うんだけどな....
 
 
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 RJC48で先進的な運営をしている組合では、あとで委任状で可決したんだろっ!とか言われないように、”委任は議長に対しては実施できない”ようにしている組合もある。欠席の場合は必ず議決権行使書を出すわけですね。ここまで一回で移行するのは混乱もあって、特別決議がある総会では避けたかったので、今回はできるだけ委任状で議長への委任は使ってくれるなと、委任状に赤い太字で記載してみました。いつも130枚とかになる委任状が激減していて、8割以上が議決権行使してくれているので効果はあったかなぁ。
 
 理事長勉強会 RJC48に関心のある方は、こちらからどうぞ。。。
ま入ってみなければどんなものかはわかりませんから。
  
http://rjc48.com (RJC48への参加から)


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