今回の震災のように、例えば父と子が同時期に亡くなった場合の相続人は誰?
というお話を。
その前にさらっと、相続の基本を。
ご存知の方は、とばしちゃってください。
久男と結婚し、太郎、ハナの子に恵まれた花子。もし久男が亡くなったら、
誰が相続人になるのか?そして、どのくらいの割合で相続する権利があるのか気になったようです。
割合については、
1、遺言があればそれに従い
2、遺言がなければ、相続人全員の協議で決めます。→どのような割合で決めてもいいのですが、もし決まらず、調停になった場合には、民法で決めてある「法定相続分」に沿った割合で決まる事が多いので、それも一緒にみてみましょう。
→①妻と子=1:1(花子、太郎、ハナ)
妻と子供だけのときは、妻が2分の1、子供全体で2分の1になるので、複数いる場合は頭割りで、太郎・ハナは4分の1ずつとなります
→②妻と久男の両親=2:1
(花子、亀子、留蔵)
妻3分の2、親3分の1
(亀子、留蔵は各6分の1の割合)
花子と久男の間に子供がなく、両親・祖父母など直系尊属(上の人ってことですね)も全員亡くなっている場合は
→③妻と久男の兄弟姉妹=3:1
(花子、栄吉、佳枝)
妻4分の3、兄弟姉妹4分の1
(栄吉、佳枝は各8分の1の割合)
となります。妻(配偶者)は常に相続人になります♪
妻強し!やったー
別に覚える必要はありませんが
子、親、兄弟姉妹の側は常に1、
妻は1,2,3と割合が増えると理解すれば、
簡単に覚えられます。
では、クイズを。遺言がないという前提で。
①のケース(妻と子2人がいる)のケースで、
1、久男の数分後にハナが死亡した場合
2、ハナの数分後に久男が死亡した場合
3、久男、ハナが、同時に亡くなった場合
の相続人と法定相続割合はどうなるでしょう?
ハナには夫や子供はいません。
はなっから 花沢さんは「考える」気はなさそうです
ま、いっか。
答えです。
1、久男、ハナの順の場合
久男の死亡により、花子、太郎、ハナが相続人に
その後ハナが死亡すると、親である花子が全財産を相続します(久男をは先に死亡しているので相続人にならず)。
花子:久男の3/4 と ハナの全財産
太郎:久男の1/4
2、ハナ、久男の順の場合
ハナの死亡により、両親が各2分の1の割合で相続。
その後久男が死亡したときは、花子と太郎が、久男の全財産と、ハナの遺産の2分の1を、半々の割合で相続します。
花子:久男の1/2 と ハナの3/4
太郎:久男の1/2 と ハナの1/4
さて、では本題の3。
民法第三十二条の二
数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。
同時死亡の推定がされる場合は、互いに相続が生じないものとされています。
(あくまでも「推定」なので、反証により同時ではなかった事が証明されればそれに従います)
つまり、上の場合では
久男の相続人は、花子と太郎(各2分の1)*ハナは相続人にならない
ハナの相続人は花子のみ、となります。 *久男は相続人にならない
花子:久男の1/2 と ハナの全財産
太郎:久男の1/2
花子にとっては「1」、太郎にとっては「2」が一番有利です。
遺産をめぐるサスペンスが多いわけです。
まだ触れていないことも多いので、不定期になりますが、今後もアップしまーす。
【追記】
当初、名前のボキャブラリーがないので、皆さんのニャンコのお名前をお借りし、えらい労力を使って(これに時間がかかっていました)家系図を作り、楽しく記事を書いていたのですが、相続という話上、どうしても~が死亡したら、という流れになるのでそれは失礼かと思いやめました
せっかく作ったので、家系図だけ載せちゃいます♪