思わぬ借金の相続にご注意を! | 熟女猫の毛深い手の上で

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初代:貫禄ある熟女猫・花沢花子
2代目:遊び至上主義者、将来の熟女猫・花沢八千代

震災から2ヶ月が過ぎ、6月11日で3ヶ月になりますね。


お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方に、心よりお悔やみを改めて申し上げます。





まだまだ震災の爪あとが生々しく、避難所で生活している方も多い状態のときに申し上げるのは気が引けるのですが、後々大変な事にもなりかねないので、情報発信を。




亡くなった方に借金があると、相続人となったことを知ったときから3ヶ月経つと、自動的に遺族に引き継がれてしまいます!



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相続、というとプラスの財産(不動産、預貯金、株式など)を考えてしまいますが、マイナスの財産、借金も相続されます

民法第九百十五条
 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。







【借金の例】

1、住宅ローン(団体信用生命保険に加入していれば、亡くなった場合は保険会社がローンを支払ってくれます)

2、消費者金融からの借金

3、車のローン

4、カードローン、カードでのキャッシング

5、友人・親戚からの借金

6、連帯保証人になっているもの

7、亡くなる「前」に生じた身元保証契約上の事故の保証(身元保証人の地位自体は相続されません)




把握しづらいのは6と7。

6の連帯保証人は、本来の借金主(債務者)に「100万借りたい。絶対迷惑をかけないから連帯保証人になってくれ」と泣きつかれてなっている場合などがあります。

契約書などの書類は連帯保証人の元にない事が多く、遺品を整理しても分からない場合も。また借金主が返せなくなってから、お金を貸した人(債権者)は連帯保証人に「債務者が返せなくなったから、あんたぁ返しや」と請求するため、思わぬ請求にびっくりする遺族も




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ついでに、一言。

連帯保証人になる、ということは借金をするのと同じ事です

上の例で言えば、100万をその人に代わって返す覚悟がなければ、なってはいけません。「絶対迷惑をかけない」なんてウソです。法律上、自分が返せない場合は返してもらう地位についてもらうのですから。友情は借金のせいで壊れてしまうことも。




亡くなった方(仮に木村さん、とします)の財産が、


A プラスの方が多い→何もしなくて大丈夫。遺言があればそれに従い、なければ相続人間の協議(遺産分割協議)で誰が何をどれだけ相続するか決めてください。


B マイナスの方が多い→相続放棄の手続きをしないと借金を請求される


C どちらか分からない→限定承認の手続きがオススメ





【B マイナスの方が多い】


家庭裁判所で相続放棄の手続きをしてください。


「私は、相続放棄したから何も木村さんの財産もらわなかったの~」という場合の「放棄」は、Aの場合で、自分の取り分がゼロの遺産分割協議書に実印を押した、という意味のことがほとんどですが、その「放棄」とは異なり、木村さんの住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の手続きをすることが必要です。





その期間は、原則として木村さんが亡くなった事で、自分が木村さんの相続人となったことを知ったとき、から3ヶ月です。何もせず3ヶ月たつともう放棄はできず、借金も相続することとなります





例外として、3ヶ月の間に相続放棄や限定承認の手続きをしなかったのが、相続財産がないと信じ、かつ相続財産を調査するのが著しく困難な事情があるときは、相続財産の全部または一部を認識できたであろうときから3ヶ月、とする判例があります。





震災でお身内が亡くなり、借金がそういえば沢山あったなぁという場合は、お早めに相続放棄の手続きを。書類も流されてしまい財産が何があるか分からない、もうちょっと考えたいという場合は、手続き期間延長の申立てを





【C プラマイどちらが多いか分からん】


プラス財産の範囲でマイナス財産(借金)を引き受けます、という申立てもできます。限定承認、というものです。


ただし、これ・・・相続人全員でする必要があります


相続放棄は、相続人各自が判断してすればいいのですが汗


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これも、相続放棄と同じく、自分が木村さんの相続人となったことを知ったときから3ヶ月以内にしなくてはなりません。





3ヶ月って結構短いです。どうぞ、うっかり経過にお気をつけてください。


もう一つ気をつけて頂きたいことを最後に。


相続放棄、限定承認をする前に、木村さんの遺産を処分してしまうと、どちらの手続きもすることが出来なくなります。





「処分」にあたる例


・木村さんの預貯金を使った


・木村さんの借金の返済のために遺産を売却し、返済した


・木村さんが貸していたお金を取り立てた


・木村さんのブランド品など高価な衣類を他人に贈与した





判例では、交換価値のない古着を贈与したとき、形見分けとして衣類や時計をもらったとき、遺族として当然すべき葬式費用を木村さんの預貯金から捻出したとき、保険金の受取人に相続人がなっているとき(保険金は相続財産ではないとして)は、「処分」にあたらないとしています。





申立ては、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ。


家庭裁判所自体も被災し、別の裁判所に事務を移転している場合もありますので、裁判所のHP
でご確認ください。





相続放棄に必要な書類・申立書→こちら


限定承認に必要な書類・申立書→こちら






花沢さんのうっかり


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普段からうつ伏せでヨダレは大丈夫だろうか、と思っていましたがやっぱりダメなときもあるようで( ´艸`)


*これ以降こんな見事なヨダレは見ていません。病気などではありませんのでご心配なく♪