隷属なき道 | 地球日記

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隷属なき道(ルトガー・ブレグマン)
今後ベーシックインカムが実現し広がる過程で、共産党宣言のような役割を担うであろう本。物質的に豊かなはずの現代において、いまだ人々を縛り、分断し、追い立て、貧困を再生産する「労働」からの解放を基礎に据え、お金、時間、機会の公正な分配を訴える。ベーシックインカムが呼び水となって、様々な障壁や特権を取り払う運動が進む、そういう射程を持って書かれた本である。意識改革と運動論に力点が置かれ、ベーシックインカム本の定番である財源シュミレーション的なものはカットされている。その点は「公共貨幣」(山口薫)や「ヘリコプターマネー」(井上智洋)などで補ってほしい。注意する点として「お金を与えればいい」という訳語が当てられているが、ベーシックインカムは権利なので、「配ればいい」とすべきだろう。