プロレス学部プロレス学科 初級講座1-2 バンプ 前回り受け身
【注意】
Don't Try This!
基本的にやらない。
やるとしても一人でやらない、出来る人と一緒にやる事。
■目的;前方に倒れそうになった時、丸まって回転する事によりダメージを吸収する受け身
ルチャなどでは次の素早い展開に移る時に使う布石だったりします。
■行為;右(左)手を地面に添えて下記ラインが車輪の様に地面に接するよう前方回転します。
右小指→指の外側のラインから右ひじ→右肩→背中は対角線を通るようにライン取り→そのまま左足外側の小指まで
※頭は絶対触れません。
※特にこの背中の対角線を意識してないと右で受け身取ると右に寄ります。
なんか曲がっちゃう人いますよね?ここだと思います。
このラインを真っ直ぐ通す感覚、まさにこの体のラインを車輪の様に前方回転する意識です。
車輪は曲がりませんよね。
最終形は左足が伸びた形、左足は軽く曲がっている状態で左手で地面を叩きます。
ここで止まるのが基本形です。
立つ場合もありますよね?この時注意したいのは柔道では足を交差したらダメって教わりますが
プロレスは立つ場合は交差する場合が多いです。
足を交差さて前回り受け身しますと、立ち上がる際に反対側を向く事になります。ルチャリブレとかの展開でよくある光景ですね。
相手を飛び越えたりする時もこの型が基本となりますがマット捌きにも関係してきます。
■コーガンズポイント1
物凄く重要なポイントとしては「縦回転」である事!
この線が書かれたラインで受身を取ると必ず縦に回転するはずなんです。
でもメイヤー然り、アームドラック然り横に流れちゃう人がいます(主に右側)
その人は最初の入りだったり、背中への意識が足りないのだと思います。
とにかくマジックで書いちゃうくらいこのラインを意識してください。
このライン通りに地面につけば絶対上手くいきます。
■コーガンズポイント2
ではこれでも縦回転しない人はどうしたらいいか。
補助としてこのような練習をしたら如何だろうか。
・左足を前に出して、膝の内側で両手を組む、右膝を地面に。
・そして両腕が使えない状態で左肩から入るように回ります。
するとなーんを強制的に縦回転しちゃいます。
理由は横にぶれる人は飛ぶときに肩から背中へのラインがずれてるんですね。
最終系のバンプを意識しすぎちゃうんです。
だから腕を殺して肩から背中へのラインを強制的になぞらせることにより正しいフォームになると。
一度試してください。
FUNAKI選手のセミナーでやったらしいです。また聞きして自分なりに解釈してみました。
今日これで試してみましたがこれでも出来ない時がありました。
まず怖いを消さないと。慣れてください。
あとは脇を締めてコンパクトにして左肘を前方へ押し出してください。
肩から入るというより肘から入るイメージをしてください。
これでもダメならまた一緒に考えましょう。
■型
立ち上がる型は何かと多いと思われますが、倒れた型はどうでしょう。
例えばアームドラッグをやられた形でしょうか。
アームドラック受けが一番上手いのはエロワード・ネゲロ選手ですね。
ダントツで上手いです。プロでもここまで上手い人は見ないです。
TATSUYAも上手いね。凄い縦。
皆さん、もしかしてこの前回り受け身あまり用途がないとお思いでしょうか?
いやいや実はかなりこの型は使います。
実はこの前回り受け身さえうまく取れればプロレスバンプの5割は抑えたも同然です。
あとは後ろ受け身で3割、倒立受け身2割です。
実質この3つが出来れば怪我をしない受け身という大本は網羅できます。
他にもありますよね?横受け身とか。でもこれは前回り受け身の最終形ですよね?
この型さえ体に染み込ませていれば横受け身も簡単です。
前受け身、これは前転出来ない場合の受け身ですね。滅多に使いません。
ぶっちゃけプロレスの場合は魅せ方による受け身ですね。
ただプロレスを上手く魅せるには前受け身という技術は非常に重宝いたしますので
後述します。(初級講座1-4 バンプ 前受け身を参照)
この前回り受け身は色々なシチュエーションで使うことになります。
■例1フライングメイヤー
確かに前転しますよね。
しかし、これのどこに前回り受け身の要素があるかと思いますか。
フライングメイヤーは主に相手の右側に相手の頭をポジショニングし相手の頭をロックした両腕を前方に投げ入れる事で相手を回転させ、最終的に長座の状態にしてコントロールする技ですよね。
ここで前回り受け身が活きます。
諸説ありますがまず受ける際には相手の腰に右手、または両手を添えて回転時に手を押し出すようにして
前転します。
ここで添えた右手の小指から左足の小指の外側までをラインで結び前転します。
すると綺麗に前方に転がると思います。最終形は長座ですが理論は前回り受け身です。
メイヤーでも右に寄っちゃう人いますよね?
これは前回り受け身がちゃんと出来てない人だと思います。
■例2ボディスラム(亜種)
これはマニア編です。通常ボディスラムは倒立受け身の最終形です。が皆さまはリックフレアーはご存知でしょうか?リックフレアーがボディスラムをやられますと最後マットに叩きつけられる姿は実はこの前回り受け身なんです。
ここの1:09を参考ください。
ね?
やってるでしょ?
実は私もスラムはこの受け身なんですよ。
利点は2つ。
1つ目はスラムの投げ方は個人差があると思います。
ですが経験から言ってこれが一番ダメージが軽減できると思います。
まず上から落とすタイプのスラムですが右半身を先に落とせるので高低の差を低く出来ます。
そして叩きつけるタイプのスラムは若干息が詰まりますが足を張る感じで対応すれば
最終的に平面で受けれますので大分修正できます。
2つ目は半身で受けるのですぐ起き上れます。
これは何が利点かというとセールがしやすいんです。
倒立受け身の両足着地ですと顔を上げるのに時間がかかります。
この場合セールの正解は腰を上げてのけ反る感じでしょう。
しかし私は体硬いのであんまりのけ反れないんです(笑)
なのですぐ長座へ移行できるフレアー受けを使い、痛い表情を観客に飛ばす事で
セールの表現力をカバーしています。
通常のスラム受けは倒立受け身(初級講座1-3 バンプ 倒立受け身)で後述します。
ドラッグ、メイヤー、スラムに対応出来る前回り受け身。
コツはやっぱりラインを意識する事でしょうか。
【チェック】
□手の小指の先から足の踝までのラインを意識してそのラインを車輪の様に地面につけて入れてるか
□いつでもどこでも縦回転でいれてるか
□音は一つ
□倒れた形で終了する際は必ず最終形を意識する事。片足を伸ばせてるか。体を起こさないで衝撃を止めているか
□ダメージはないか