イザナミとイザナギの出会いの森   神内神社(こうのうちじんじゃ) 三重県紀宝町神内近石 | スピリチュアルライフ ー 原水音のマザーアースカフェ

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アメリカ、屋久島を経て、熊野の自然のなかで暮らしています。四人の子どもを自宅出産、自然育児で。スピリチュアルでエコな体験をおしゃべりしちゃいます。

『聖地をたどる旅、熊野』
http://www.honzuki.jp/sp/2012/kumano/


イザナミとイザナギが天降って神々を産んだ逢初の森



神内神社(こうのうちじんじゃ)・子安神社(こやすじんじゃ)


三重県紀宝町神内近石

アクセス JR紀勢本線鵜殿駅からタクシーで5分



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神内神社は別名を子安神社といい、社殿はなく背後の磐をご神体に据えた、原始神道のにおいを色濃く残す神社です。



明治39年に神社合祀が行われる以前の熊野には、巨岩や巨樹を祀った神社が数多くありましたが、神内神社のように古代から脈々と受け継がれてきた自然信仰を起源にもつ神社の多くが神社合祀令によって破壊され、消滅してしまいました。

神社合祀令の嵐を生き延び残された神社を参ることで、古代の日本の祈りのカタチを感じることができると思うのです。それが熊野の神社の特色ともいえます。


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天を突く磐。この磐が神内神社のご神体。拝殿の前に見える磐はこの磐のボトム部分にあたります。


ご祭神は、天照大神、天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみと)、鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)。



しかし、ご祭神よりも、むしろわたしは、「明細書」に記されたこの文に注目しています。


「当社の義は近石と申すところに逢初森(アイソメノモリ)というのがあり、そこにイザナギノミコト、イザナギノミコトを天降らせ一女三男を生み給う、この神を産土神社(ウブスナジンジャ)と崇め奉る、よってこの村の名を神皇地(コウノチ)と称す。いつの頃よりか神内村(コウノウチムラ)と改むと言い伝う」


とあり、神内の名の由来と、イザナミ、イザナギの神産み神話から安産の神、子安神社と呼ばれ慕われるようになったのではないかと推察できるのです。



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鳥居近くにあるホルトノキは、石を巻いて抱え込んでいて、その姿がお腹に子を宿したように見えることから、この木が子安神社のご神木とされています。



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せせらぎが流れています。



神社の脇を小川が流れ、この水で身を清めてから狛犬が見守る石段を上ってお参りするのが、古来からの参拝形式だと思っているので、わたしはいつもこの水で手と顔を洗ってからお参りしています。


昼なお、うす暗い境内には、巨樹と巨岩の織り成すエネルギーが蠢いています。


ここは心を鎮め、自然への畏敬の念を持ってお参りする場所で、いたずらに霊的なエネルギーを求めたりすると危険な気がする場所。

地元の人たちが参るように、ただ無心に神様に頭を垂れ、大自然に感謝の祈りを捧げるのが一番いいと思います。


御神体は岩山そのものです。拝殿は狭く、祈りを捧げにくいので、すこし右手に歩いて、足場は悪いですが、磐をまじかに感じられる場所で祈りを捧げてください。

そこには嵐にもたえて生き延びている巨樹がはえています。

磐に思いをはせて、鉱物をつかさどる神々様と、巨樹に思いをはせて、植物をつかさどる神々様に、そしてイザザミ、イザナギ様に思いをはせて、大自然、いのち、そして宇宙への感謝の祈りを捧げましょう。



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神内神社は、地元の人にとっては安産と子どもの健康を守護する子安神社として親しまれていて、無事に出産を終えたお母さんたちが奉納した赤ちゃんのよだれかけがたくさんかかっています。



無数のよだれかけの向こうに、原始の姿をそのままに届めた巨岩が鎮座して、あたり一帯には巨樹が生い茂り植物が繁茂している。これこそが熊野信仰の姿なのです。


きらびやかな神殿のなかに神がいるわけではありません。

大自然の息吹こそが神の姿であると古代の人々は知っていたのです。



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神内神社のすぐ近くに「古神殿」と地図に記されている磐座がある。以前は樹木に覆われた中に巨岩が置かれて昼なお暗く、石組みから原始のエネルギーを醸し出している場所だったのですが、ここは個人の所有地であるため、現在は木々が刈りはらわれて以前の面影を失ってしまいました。それでも、ここが古代の祭祀場であったことはまちがいないでしょう。

 

『聖地をたどる旅、熊野』
http://www.honzuki.jp/sp/2012/kumano/