前回の記事ではわかりにくいとのご意見もたくさんありますので、

今回は小児股関節研究会の先生方にも見ていただいた

写真つきでご説明したいと思います。

赤ちゃんは2ヶ月になったばかりです。

(1ヶ月前の写真でというご希望もありましたが、この時点では

 一番小さい赤ちゃんで撮影しています。)



まず、スリングなしで抱っこした様子です。

お母さんの手は赤ちゃんの股を支え、赤ちゃんの足がM字に開いています。

これを「コアラ抱き」といい、股関節脱臼を予防するために生後すぐから

この抱き方で抱っこするとよいそうです。




お母さんの肘の上あたりに赤ちゃんの頭を乗せれば

片手でも抱っこが可能です。



この「コアラ抱き」をスリングに入れるとこうなります。

正面から見た様子


斜め上から見た様子



下から見た様子

やはり、足はM字になっています。

頭を支える場合は、後頭部1/3くらいまで生地で覆い、しっかりと

フチを締めて置くようにすると安定します。

また、このスリングは撮影用に作成したものを使用し、

お母さんが手を赤ちゃんに添えているのは位置関係を

分かりやすくするためで、支えているわけではありません。


写真の赤ちゃんは足が出た状態ですが、抱っこの際は

まず足入れの基本抱き→足を出す

(股関節研究会の先生方としては足を出すことが一番良いとのことです。)

※足が出ない場合は股関節が広がっていること、

  お尻に体重がかかっていることを確認してください。

という順序で抱っこするとよいと思います。




では、次に抱き方の手順をご説明します。

1. スリングの袋を形作り、赤ちゃんをゲップの要領で担ぎ上げます。


2. スリングのフチを引き上げて赤ちゃんに被せます。

  (この時赤ちゃんはまだ肩の上)


3. スリングごと赤ちゃんをお母さんの体に密着させたまま降ろします。

  袋を作る時に袋の底がお母さんのおへそよりも低くなっていると

  うまくいきませんので、その時は一度赤ちゃんを降ろして最初から

  やり直しましょう。


4. 赤ちゃんを支えたまま、赤ちゃんの両足を順に広げ、お母さんの胴を

  はさむようにします。

  (小さいうちは足が胴にまわりきらなくてかまいません)


5. 赤ちゃんの体を斜め45度の体勢にし、その体勢が保てるようにスリングのフチを

  締めます。足がM字になっているか、鏡などで確認して完了です。



以上の抱き方の写真は、雄鷄社刊「スリングで抱っこ。」内にも掲載されています。

基本抱きは足だし、ゆりかご抱き(リング側に頭)は足を中に入れた状態の写真が見られますのでお手元に本がある方はP.6~7をご覧下さい。


協会では、HPでの告知と一般の方用のパンフレットの作成を昨年末よりすすめております。当初イラスト形式での説明の予定にしていましたが、このブログでのご意見を見る限り写真の方がわかりやすいでしょうか?

折角の機会ですので、みなさんのご意見を取り入れ、よりわかりやすい資料を作りたいと思います。