TPPとオーストラリア | 日本は世界を平和にします

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オーストラリアに移住してから日本がとんでもなくいい国だと言うことに気が付きました。
世界を平和にするのは日本ですよ、間違いない。
でもそのためにはまず日本が元気にならなくっちゃね。
ダーウィンから応援しています。

民主党議員の金子洋一氏が、オーストラリアを例にTPP推進の意見を述べられていたのですが、どうもこちらの実情をご存じないようなので、ちょっと訂正というか突っ込みをしますね。


金子洋一・民主党参議院議員(神奈川選出)
【ISD条項2】米国とは未締結だが、フィリップモリスが香港と豪州の投資協定を使って、豪州を訴えたように、米国企業が締結相手国で営業していればわが国を訴えることが可能である。が、それでもまだ一件もないのが事実だ。

簡単に事情を説明すると、アメリカ資本のフィリップモリスというタバコ会社が、オーストラリアが外箱に肺がん患者や、ぼろぼろになった歯を写した写真を止めるように訴えると脅したのです。どうしてそういうことが出来るかと言うと、FTAという協定の中にあるIDS Investor-state Division(投資家対家間の紛争)というのを使ってオーストラリア政府を「訴えるぞ」と脅したのです。怒ったオーストラリア、豪首相 ギラード女史は” the Government is not scared by the latest threat.” 政府はそのような脅しを怖がることは無い、と宣言してIDSを拒否したのです。

「国民の健康?知るかそんなもん、金儲けの邪魔したら訴えるぞ」なんて一企業から脅されたら、外からとやかく言われるのを嫌うオーストラリア人が黙っているわけありませんからね^^

つまりオーストラリアを訴えていないのは事実ですが、それはフィリップモリス社が豪政府を脅して、オーストラリア政府が毅然とした態度をとったからなのですね。どうしてこれがTPPを推し進める例に使われるのかが分からない。



金子洋一・民主党参議院議員(神奈川選出)
【ISD条項5】TPP参加国でも豪州はISD条項に反対であるが、それは先進国には整った裁判制度があるからであり、決して一部の論者が主張するような「治外法権」だからではない。ISD条項にわが国が反対するなら協議に参加して豪州などと連携して反対すればよい。

オーストラリアがISDに反対したのはまさにその治外法権だからです。
the dangers of signing trade or investment treaties which could give corporations the right to sue government over legitimate health or other public interest regulation
(Ref;http://www.nznotforsale.org/2011/06/27/big-tobacco-to-sue-the-australian-government/)
海外の企業が、国内の健康や公的利益を無視して国家を訴えることが出来る恐れがあるために、ISDを拒否したのです。

また金子洋一氏がおっしゃるように「先進国には整った裁判制度がある」のであれば、むしろオーストラリアはISDに賛成するべきではないのでしょうか?裁判所が正しい判断をしてくれると信じていれば、安心してISDを受け入れられるはずです。しかしオーストラリアはISDに反対です。

ISDに反対するという金子氏の意見には同意しますが、上記に矛盾、およびオーストラリアがISDを拒否した本当の理由をきちんと把握していないと思ったので、コメントしました。


以上、推進派の方の論説にオーストラリアの事例が歪曲して伝えられては困りますから突っ込んでみました。日本の報道がどのようにオーストラリアのことを伝えているのか分かりませんが、あまりに違うようであればオーストラリア政府やメディアにも話をしたほうがいいのかもしれませんね。

オーストラリアはTPPを含めアメリカが契約を結んで他国を搾取しようとしていることに抵抗していたのです!日本だけじゃないのです。ジュリアさん頑張れ!オーストラリアと日本、手を組んで戦いましょう!