先日参加した自閉症の新診断基準DSM-5についてのウェビナー報告の続きです。
これからはアスペルガー症候群、小児崩壊性障害やPDD-NOSという診断名がなくなり、
全て「自閉症スペクトラム」という枠組みの中に組み込まれることになったわけですが。
ただでさえ、一言「自閉症」と言っても、個人によってその重さや症状が多様なのに、
さらにアスペルガーや小児崩壊性障害やPDD-NOSまで
全部ひっくるめて単に「自閉症」とされるとなると・・・・
あまりにも広すぎやしませんか
と私なんかは思ってしまったのですが・・・・
今後は、アスペルガーなどの小分類的な名称がなくなる代わりに、
自閉症の診断の際に「レベル」が付加されるらしいのです
レベル3
かなり多くのサポートを必要とする
レベル2
多くのサポートを必要とする
レベル1
サポートを必要とする
・・・ということは、今後は自閉症の診断をもらう時、
「あなたのお子さんはレベル2の自閉症です」なんて風に言われるのでしょうかね?
なんだか変な感じがしますが・・・・。
そして・・・前回の記事でも書きましたが、
今後はRRB(Restricted Repetitive Behaviors・・・限定的/反復的行動)
これが鍵となってくるということで。
どうしても、既出のTOBYのようにちょっと自閉症の症状は出ているけど、
RRBが2つ以上という基準を満たしていないので自閉症の診断は出ない、
という子が出てくるかと思います。
そこで、DSM-5ではなんと新しい障がい名が登場してました
ということで長々とこの新しい自閉症の診断基準である
DSM-5について記事にしてきましたが・・・・・
このDSM-5が、これまでのDSM-IVとはかなり違うということが
分かっていただけたでしょうか。
「言語」に関しての要件を排除したり、
アスペルガーなどの小分類的なものを無くしてすべて「自閉症」としてまとめるということで・・・・
一見、今後は「自閉症」が広義なものとなって
診断される門戸が広がった、自閉症の診断がつく子が増えるのでは?
・・・・・というようにも見えますよね。
でも、実はこのDSM-5によって「自閉症」の診断への門戸は
逆に狭まってしまったということになるようです。
これまでの診断基準でなら「自閉症スペクトラム」の範疇にいた子のうち、
新基準DSM-5によると「自閉症」に入らなくなってしまう・・・・
つまりは診断からはじき出されてしまうことになる子の割合。
それが、専門家によっては、なんと40%にものぼるのでは
と言う方もいるようです こ、これはびっくり~!
とりあえず、今回のセミナーを開催したラトローブ大学の研究チームの見解では、
「出来れば10%くらいに留めたい」ということでしたが・・・。留めたいって・・・
う~ん、これまで自閉症スペクトラムの人たちは
びっくりするくらいの増加傾向にあるとされてきましたが・・・
この新基準によって 今後は世界中で「自閉症」と呼ばれる人たちの数が
減っていくということなのか・・・・・?
最後の方で、今後独立した診断名としては使われなくなる
アスペルガー症候群について少し述べられていました。
【要約】
アスペルガーの人々というのは、自分たちをAspieなどと呼び
独自の文化としての自我を確立している人も多い。
Aspieの概念というのは、独自性や才能の面などでもポジティブな価値がある。
DSMから外れることが良い側面を持つという人もいるし、
その一方で診断名がなくなることで、
アスペルガーという言葉自体の消滅を危惧する人もいるようだ。
医学的な面での診断方法の変更によって、
文化的な面での自我や社会における独特の存在意義までもが
脅かされるべきではない。
このウェビナー中、画面の左側では常にタイピングにより
各参加者が意見や質問を発言できるようになっていたのですが・・・
ある方が「私達『アスペルガーサポートグループ』は、
誇りを持って今後もこの名称を用いていきます 」と宣言していたのが印象的でした。
アスペルガー症候群についてもそうですが、
個人的にはこのDSM-5という新しい診断基準の登場によって
本来ならサポートが必要な個人が
その枠組から不必要にはじき出されてしまうような事態は避けるべきだと思っています。
オーストラリアではこの5月より、DSM-5が使われ始めます。
遅かれ早かれこのDSM-5が世界的な診断基準の主流となっていくことは避けられませんが、
この基準を実際の社会にどう当てはめていくか・・・
例えば教育現場での公的ファンドの問題なんかですが、
そのあたりは各国によって対応が異なってくるかと思います。
このDSM-5、今後も注意深く動向を観察していく必要がありますね。
3回に渡ってDSM-5についてまとめてきましたが、
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _ )m
これからはアスペルガー症候群、小児崩壊性障害やPDD-NOSという診断名がなくなり、
全て「自閉症スペクトラム」という枠組みの中に組み込まれることになったわけですが。
ただでさえ、一言「自閉症」と言っても、個人によってその重さや症状が多様なのに、
さらにアスペルガーや小児崩壊性障害やPDD-NOSまで
全部ひっくるめて単に「自閉症」とされるとなると・・・・
あまりにも広すぎやしませんか
と私なんかは思ってしまったのですが・・・・
今後は、アスペルガーなどの小分類的な名称がなくなる代わりに、
自閉症の診断の際に「レベル」が付加されるらしいのです
レベル3
かなり多くのサポートを必要とする
レベル2
多くのサポートを必要とする
レベル1
サポートを必要とする
・・・ということは、今後は自閉症の診断をもらう時、
「あなたのお子さんはレベル2の自閉症です」なんて風に言われるのでしょうかね?
なんだか変な感じがしますが・・・・。
そして・・・前回の記事でも書きましたが、
今後はRRB(Restricted Repetitive Behaviors・・・限定的/反復的行動)
これが鍵となってくるということで。
どうしても、既出のTOBYのようにちょっと自閉症の症状は出ているけど、
RRBが2つ以上という基準を満たしていないので自閉症の診断は出ない、
という子が出てくるかと思います。
そこで、DSM-5ではなんと新しい障がい名が登場してました
Social Communication Disorder
日本語で言うと、「社会的コミュニケーション障がい」?
社会性やコミュニケーション上で問題があるけれど、
でも自閉症の特徴である限定的/反復的行動が2つ以上ない場合に
この診断名が出ることになりそうです。
でも、しっかりと「これは『自閉症』ではありません 」と
釘を刺されていますね。。。。。。
日本語で言うと、「社会的コミュニケーション障がい」?
社会性やコミュニケーション上で問題があるけれど、
でも自閉症の特徴である限定的/反復的行動が2つ以上ない場合に
この診断名が出ることになりそうです。
でも、しっかりと「これは『自閉症』ではありません 」と
釘を刺されていますね。。。。。。
ということで長々とこの新しい自閉症の診断基準である
DSM-5について記事にしてきましたが・・・・・
このDSM-5が、これまでのDSM-IVとはかなり違うということが
分かっていただけたでしょうか。
「言語」に関しての要件を排除したり、
アスペルガーなどの小分類的なものを無くしてすべて「自閉症」としてまとめるということで・・・・
一見、今後は「自閉症」が広義なものとなって
診断される門戸が広がった、自閉症の診断がつく子が増えるのでは?
・・・・・というようにも見えますよね。
でも、実はこのDSM-5によって「自閉症」の診断への門戸は
逆に狭まってしまったということになるようです。
これまでの診断基準でなら「自閉症スペクトラム」の範疇にいた子のうち、
新基準DSM-5によると「自閉症」に入らなくなってしまう・・・・
つまりは診断からはじき出されてしまうことになる子の割合。
それが、専門家によっては、なんと40%にものぼるのでは
と言う方もいるようです こ、これはびっくり~!
とりあえず、今回のセミナーを開催したラトローブ大学の研究チームの見解では、
「出来れば10%くらいに留めたい」ということでしたが・・・。留めたいって・・・
う~ん、これまで自閉症スペクトラムの人たちは
びっくりするくらいの増加傾向にあるとされてきましたが・・・
この新基準によって 今後は世界中で「自閉症」と呼ばれる人たちの数が
減っていくということなのか・・・・・?
最後の方で、今後独立した診断名としては使われなくなる
アスペルガー症候群について少し述べられていました。
【要約】
アスペルガーの人々というのは、自分たちをAspieなどと呼び
独自の文化としての自我を確立している人も多い。
Aspieの概念というのは、独自性や才能の面などでもポジティブな価値がある。
DSMから外れることが良い側面を持つという人もいるし、
その一方で診断名がなくなることで、
アスペルガーという言葉自体の消滅を危惧する人もいるようだ。
医学的な面での診断方法の変更によって、
文化的な面での自我や社会における独特の存在意義までもが
脅かされるべきではない。
このウェビナー中、画面の左側では常にタイピングにより
各参加者が意見や質問を発言できるようになっていたのですが・・・
ある方が「私達『アスペルガーサポートグループ』は、
誇りを持って今後もこの名称を用いていきます 」と宣言していたのが印象的でした。
アスペルガー症候群についてもそうですが、
個人的にはこのDSM-5という新しい診断基準の登場によって
本来ならサポートが必要な個人が
その枠組から不必要にはじき出されてしまうような事態は避けるべきだと思っています。
オーストラリアではこの5月より、DSM-5が使われ始めます。
遅かれ早かれこのDSM-5が世界的な診断基準の主流となっていくことは避けられませんが、
この基準を実際の社会にどう当てはめていくか・・・
例えば教育現場での公的ファンドの問題なんかですが、
そのあたりは各国によって対応が異なってくるかと思います。
このDSM-5、今後も注意深く動向を観察していく必要がありますね。
3回に渡ってDSM-5についてまとめてきましたが、
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _ )m