25日の日経平均株価は、1ドル90円台に突入した円安を好感して前日比305円高の10926円を付け、週間ベースでは42年ぶりに11週連続高となりました。
22日の日銀金融政策決定会合後の利食い売りで、24日に10441円まで下げたものの、当日発表された貿易統計で貿易赤字が大幅に膨らんだことや、概ね良好な主要企業の決算を受けて米国株が堅調に推移していることが支援材料になっていると思われます。
こうしたなか、22日から3月期決算企業の第3四半期決算の発表が始まり、今週(1月28日~2月1日)は前半戦のピークを迎えます。
現在の世界的なマクロ環境は、欧州債務危機の不透明要因が払拭されつつあるほか、世界主要国のトップが決まり、当面は政治的安定が見込まれます。
日本においても、これまでのところアベノミクスが市場に評価されていることを勘案すると、日経平均株価は1月以降の利食い売り時に下げ止まっている10400円台が下値目途となり、今後TPPへの参加表明など市場の信任を得られる政策が取られれば、11000円台が視野に入ってくるでしょう。
ただ、当面の決算発表時に注意すべきことは、個別企業の業績及び見通しが、直近のマクロ動向のプラスの変化だけを反映しているわけではないということです。
一般的には、1ドル90円超の円安が定着すれば、輸出関連企業の業績や競争力の改善に繋がるものの、既に決算発表した日本電産やファナックが、パソコンやスマートフォンの需要減速を反映して通期で大幅減益を見込むなど、投資対象企業の属する業界動向や個別要因を十分に見極める必要があります。
もちろん、業績を下方修正する企業が投資対象にならないわけではなく、むしろ逆張り投資家にとっては一時的な下落であれば、いい投資タイミングになるでしょう。
要は、決算発表直後の業績数字のみに捉われることなく、インターネットで決算説明会を視聴するなどして、来期以降の業績動向を自分なりに判断できるようにすることが大事です。