ワシはウクレレを信頼しとる。
もともと楽器そのものに執着がないもんで、大好きでたまらんって訳じゃないけど、唄をうたう仕事の相棒として信頼しとる。
最近、「ウクレレ界は閉鎖的で狭すぎる、、、」的な意見をよく見るし、バンドマンに戻ったワシ自身もウクレレシーンとは少し距離を置いとるけど、結局、どの世界に行っても閉鎖的で狭いとこは狭いし、レベル高い人は高いし、低い人は低い。
どこもおんなじ。
要はその人次第。
ロックバンド界だって、同じようなバンドばっかだし、売れとるバンドはだいたい薄っぺらい。
パンクス名乗っとるのに社会情勢に対して無頓着だったり、青春の香りがする似たような歌詞とメロディーばっかだったり。
弾き語り系シンガーソングライターはだいたいオーガスタ系かゆずとかコブクロもどきのメジャーかぶれ。
ジャズ界だって、半世紀以上前の“あの頃のジャズ”をそのまんまコピーしとるだけの頭ガチガチな人も少なくない。
レゲエの子に誰が好き?って聞いたら某レゲエ風売れっ子集団だって胸張って答えられて困ったこともあったし。
ヒップホップやっとるのにJBもボビーバードも知らんラッパーやDJも多い。
どんなシーンでもカッコイイ奴はほんの一握り。
というかカッコイイ奴がそんなにおる訳がない。
ワシは20年以上、どのジャンルやシーンにも入れてもらえず、ずっとハミ出しっぱなしだで誰からも相手にされとらんけど(笑)
HANZI BANDのツアーファイナルのアンコールでも、突然ウクレレ持って登場した。
重厚な爆音ロックバンドの合間に癒し系楽器であるウクレレを挟む。
これ以上にウクレレのオイシイ使い方はない。
なのに絶唱しちゃうという台無しの美学(笑)
こんな感じでお客さんの9割以上がウクレレに興味すら持っとらん環境でウクレレを使って大いに唄うことで結果的にウクレレの存在を広めとる。
だで、バンドマンに戻った今でもウクレレ大使って名乗ることも少なくない。
ウクレレはワシにとって重要な楽器だでね。
ただ、ウクレレ界に限らず、自分のことを表現者だって自負しとるなら、もっと外に出て勝負した方がいい。
表現の世界は広く深く果てしない。
広い海を知らずとも空の高さをとことん追求するような井の中の蛙ならワシはカッコイイと思うけどね。