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5/21(土)HANZI BAND横綱バンジージャンプツアーファイナル@渋谷サイクロンに出てくれるTAPE ME WONDERが「NEVERTHELESS」をリリースした。

ボーカルでありリーダーのノリボーンはGQ06時代のTAHのバンドメンバー。

ベースのペーとはもう20年以上の付き合いだし他の二人ともだいぶ長い。

もはや腐れ縁。


同じ年生まれのボーカリストがバンドでニューアルバムをリリース。

そんだけで単純に嬉しい。

まずは心からおめでとうを言いたい。


バンドでフルアルバム出すってやっぱ特別で格別。

アルバムはデモ音源とは全然意味が違うんよ。

デモは言い訳が出来るけどアルバムは言い訳が許されん。

だで仲間が本気で作ったアルバムは買ってでも絶対に聴きたいし、同じバンドマンとしては聴かんといかんだよ。


もちろんTAPE ME WONDER の「NEVERTHELESS」もガッツリ聴かせてもらった。

相変わらずのネッチョリ濃厚ミュージックにニンマリ。

ここまで付き合いが長いと、お互いの手の内を知り尽くしとるだけにハードルはあがる。

それでもニンマリさせてくれる音源は間違いない。


結論から言う。

「バンドとはボーカルの恥部を際立たせるための生き物である」

それが出来とらんバンドや作品はクソ。

この一点だけでもこの「NEVERTHELESS」は最高だ。


唄を生み出すことは自分の内面をさらけ出すこと。

つまりは自分の恥ずかしい部分を剥き出しにすること。

長年バンドで唄を唄っとる奴なんか例外なく気が狂っとるんよ。

そーでもなけりゃ人前で自分が作った唄を唄うなんて恥ずかしい行為はし続けられん。


このアルバムはまさにノリボーンの恥ずかしい部分が満開でワガママ全開の集大成。

「ボーカルの恥ずかしい部分=バンドの最大の魅力」が最大限に際立っとる。

ちっちゃいおっさんがウィスパーボイスで「ドントウォーリーベイビー」なんて言っちゃっとるのにカッコイイ音源なんてなかなかない(笑)


同じ年生まれであり同じボーカルでありリーダーでありプロデューサーでありバンドのメインコンポーザーでもあるノリボーンとは永遠のライバル。

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結婚式で永遠のライバルと言ってくれた宮ちゃん亡き今となっては、デビュー前からのバンドシーンでの幼馴染的なライバルはもうノリだけかもな。


だで、細かい感想なんか他の奴に任せて、ワシはこの盟友が作り上げた最新アルバム「NEVERTHELESS」と自分の最新アルバム「横綱バンジージャンプ」を聴き比べて改めて思った「バンド」というものに対する暑苦しい思いを勝手に書かせてもらう。


ノリとワシはボーカリストとしても作詞作曲家としてもプロデューサーとしても全てが真逆なタイプだ。

だで表面上はTAPE ME WONDERの「NEVERTHELESS」とHANZI BANDの「横綱バンジージャンプ」は正反対な音源かもしれん。

でも目指しとる高みは同じだと思っとる。


ワシはヒラメキだけを信じてフルスイングで勝負するしかできん。

野球で例えるならドカベンの岩鬼か?(笑)

悪球しか打てん(笑)

ノリがHANZI BANDのアルバムに寄せてくれたコメントの「悩ましきホームランバッター」ってのが的を射とるかも。

もうマジでホームランか三振だけでいい。

でも三振は三振でも最高に絵になる三振をかましたい。

ちなみにライブのPA表は真っ白(笑)

曲順すら決めん日も多い。


対してノリは入念な分析と巧みなバットコントロールでヒットを量産するバッター。

野球で例えるなら古田か?(笑)

キャッチャーとしてチームを日本一に導いた上に打者としても首位打者を獲っちゃったり、選手兼任監督もやったりと一人何役もやりたがる忙し好きな奴。

もちろんライブでのPA表は真っ黒け(笑)

PAさんと照明さんへのお願いが細かい字でビッシリ書かれとってびっくりしたことがある。


レコーディング方法も真逆。

ワシみたいな原始人的なボーカルのバンドは、ギターも声も一切重ねないシンプルなアレンジでぶっとい声を剥き出しにして一発勝負することで「ボーカルの恥ずかしい部分=バンドの最大の魅力」が最も際立つ。

対してノリみたいな繊細な声質のボーカルは緻密に声や音を幾重にも積み重ねて丁寧に構築することによって逆に「ボーカルの恥ずかしい部分=バンドの最大の魅力」が際立つんだと思う。


道は違えども究極の目的は同じ。

「ボーカルの恥ずかしい部分を最大限に際立たせる」

バンドはこれに尽きる。


もし、ノリがステージで「ドントウォーリーベイビー」って大真面目にささやいとるのに他のメンバーが「おっさん何言っちゃっとるん!恥ずいよ。」とかチャチャ入れたら台無しだら?

「ドントウォーリーベイビー」って恥ずかしい言葉で泣かせちゃうぐらいの世界観を音で表現するのがバンドの使命。

同様にワシがライブで「アイアムノットアペン」なんておかしな言葉を全開で叫んどる時に、もしメンバーに「何熱くなっちゃっとるん?意味分からんすけと。」なんてチャチャ入れられたら、そいつとは二度とステージに立ちたくないって思うもんな。

ワシにとってこれがバンドをやる上での絶対譲れん一番大事な部分。

HANZI BANDをやっとる理由。


実は真のバンドっつうのは一人で弾き語りするよりボーカリストがワガママ全開になれるんよ。

だで一度でもそのバンドマジックを知っちゃたボーカルはバンドで唄いたいって思うんよな。

逆にボーカリストがワガママ全開になれんバンドならバンドなんかやる意味はない。

弾き語りの方が断然いい。


こんなことを書くと「バンドっていいですよねー」とか気軽に言われるけど、多分そんな生ぬるいもんじゃない。
単にドラムとベースとリードとかがおることと、ここでワシが熱弁しとる「バンド」は全くの別物。

とにかくバンドを本気で10年やって本気のアルバムを何枚か作れたころに、やっと本当のバンドってもんが少しだけ見えてくるんかも。

20年バンドばっかりやっとるワシでもやっとほんの少しだけバンドマジックが見えてきたとこだでね。


なんてボーカル目線での偉そうなバンド論をぶちまけてみたけど、実はギターもベースもドラムも他のパートも全部同じ。

たまたまボーカルは一人でもバンドの曲を弾き語りとかで成立させられる立場ってだけの話。

例えばヒムロックがソロでもボウイの曲を唄ってくれたらやっぱ嬉しいけど、布袋さんがソロでボウイの曲を「歌う」のはいくらボウイファンでも何か違和感あって困るもんな(笑)


とにかくだ、ボーカル以外のメンバーも全員がそれぞれにワガママ全開で自由にやりあった上で、バンドというひとつの生き物がグルーヴできるのが理想のバンドだと思う。

ノリもワシもそんな理想のバンドを共に目指せるメンバーに恵まれとって幸せだなあってお互いのニューアルバムを聞き比べて改めて思ったわ。

もちろんまだまだ「理想を目指せる」ってだけで全然満足しとらんけど。


移動時間が暇すぎて長々と訳わからんこと書いちゃったけど最後にもう少しだけ。

悪球打ちの岩鬼タイプだろうが、ID野球の申し子の古田タイプであろうが、聞いてくれた誰かの一生のテーマソングになるぐらいの特大なサヨナラ満塁ホームランを打ちたいと思ってバンドをやり続けとる。

お互いまあまあのホームランは打ってきたかもしれんけど、まだまだもっともっと最高なサヨナラホームランが打てるはず。

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おっさん二人の暑苦しくも青臭いペナントレースは一生続く。



実は、横綱バンジージャンプを聴いてくれたノリから

「今マスタリングを何処に頼もうか迷ってるんだけど、ハンジバンドのマスタリングをやった人って、もし良ければ紹介してくれないかな?」

って連絡をもらった。

実はこれって何よりも嬉しいこと。

だって横綱バンジージャンプを聴いて良いと思わんければ同じエンジニアにマスタリングを任せたいなんて絶対思わんもんな。

アルバムが評価された何よりの証拠。

そんで紹介したら実際に同じエンジニアと同じスタジオでマスタリングをやったんよね。

正反対のアルバムだけど、実はマスタリング段階で兄弟アルバムだったというとっておきの裏話でこのご祝儀代わりの長文レビューを締めさせてもらう。



ちなみに横綱バンジージャンプでの絵になる三振はこの曲か?

ヒップホップ音頭 with Bro.Hi (Hybrid Music Video)

ホームラン候補はこれか?

YouMayDream feat.Bro.Hi(ex.SOUL'dOUT) (Hybrid Music Video)

これか?

砂の時計 (Hybrid Music Video)

これか?

あかさたな (UnOfficial Music Video)


まだまだ全然満足出来ん。

もっともっといい曲作るぞ!