悲しい曲を笑顔で歌われるのが嫌です。

今や「伝説の番組」とまで言われる『ザ・ベストテン』。
ヒットチャート上位10曲にランクされた歌手をスタジオに招き、
生放送で歌ってもらう番組でした。
事情でスタジオに来れない歌手に関しては、
その歌手の居場所に「追っかけマン」が出張して生中継。
前述の「悲しい歌」に関する記憶は、
『オールスターかくし芸大会』収録現場からの生中継で、
中森明菜さんが歌った場面に起因しています。
曲ははっきり覚えてないのですが、
決して笑顔を見せるような明るい曲ではないのに、
現場にいた他の「かくし芸」出演者が、
笑わせたり茶化したりしたんでしょう。
ヘラヘラ笑いながら暗い曲を歌う明菜ちゃんに、
とにかく失望したのでした。

曲に魂が入っとらんやないか!!

さて、
伏線となるエピソード紹介が余りにも長くなりましたが(笑)、

1年半ぶりの福岡でのAPOGEEライヴでした。
曲が終わる度、
ギターを持ち替え、
ストラップの位置を確認した後、
目を閉じ、
歌の世界を描いてから曲に入る永野さん(永野亮・ヴォーカル&ギター)。
ただ「声」を届けるだけでは伝わらないモノ。
それを知っている永野さんの歌。
時にはアグレッシヴに、
時には天上人の声のようなおごそかな雰囲気をたたえ。

途中、
「私、ここにいていいのかな?」
と戸惑いさえ感じました。
永野さんの声を浴びるのがもったいなくて。
曲ごとに違うオーラを発する彼の、
歌に対する集中力と真摯な姿勢。
魂を吹き込まれた曲達に揺さぶられ、

涙目を余儀なくされるRIE様。

あの日の明菜ちゃんは、

この日の永野さんを観て反省して下さい(笑)。

歌だけではなく、

もちろん演奏だって聴かせてくれました。

新曲も2つ披露されましたが、

また新しいAPOGEEの展開を予想させる曲調。

同じ場所には安住しない彼らを、

しっかりチェックしておかなきゃです。


今年ワタクシが参戦したライヴの中で、
間違いなくベストな舞台。
彼らに出会えた偶然と、
彼らの音楽に反応した自分の感性に、
感謝を捧げずにはいられない夜でした。

APOGEE、やっぱすごいぜ!