保育士とは

保育士は児童福祉法に基づく国家資格。

この資格を取ると、保育所・養護施設などの児童福祉施設で、「保育士」の名称をもって児童の保育に当たることができます。

以前は「保母」という名称でしたが、男性保母の就労が増えたことなどを受け、1999年の法改正で「保育士」に名称変更されました。

 

保育士資格は国家試験に合格するか、大学等で所定の課程を修了することで取得できます。

ここでは国家試験を経て取得する方法について紹介していきます。

 

試験について

保育士試験は年2回、春と秋に実施されています。

以前は年1回だったので、だいぶ受けやすくなりました。

試験は筆記と実技に分かれており、どちらも合格すると所定の手続きを経て保育士証を取得できます。

 

筆記試験

筆記試験は以下の9科目が出題され、2日間にわたって実施されます。

各科目は5択のマークシート方式で、いずれも6割取れれば合格です。

 

(1日目)

①保育の心理学
②保育原理
③児童家庭福祉
④社会福祉

 

(2日目)

⑤教育原理
⑥社会的養護
⑦子どもの保健
⑧子どもの食と栄養
⑨保育実習理論

 

テキストについて…

ナツメ社や翔泳社など、各出版社から参考書が多数出ています。

どのテキストも内容は殆ど同じなので、パラパラと立ち読みしてみて自分に合ったものを買うといいでしょう。

私はユーキャンの速習レッスンを使いました。

 

過去問・問題集について…

各出版社から過去問や問題集が出ています。

ただ、私は大まかな出題傾向が把握できれば十分と思い、過去問や問題集は買いませんでした。

全国保育士養成協議会のサイトにアップされている過去問をサラッと見るだけにしました。

 

実技試験

実技試験は以下の3科目のうち、2科目を選んで受験します。いずれも50点満点で、2科目とも6割(30点)取れれば合格です。

 

①音楽表現に関する技術

②造形表現に関する技術

③言語表現に関する技術

 

私はピアノが弾けないので造形と言語で受験することにしました。

小学校教員資格認定試験の時もそうでしたが、ピアノができないと選択肢が狭められてしまうのが辛いところです。

 

①音楽表現について…

事前に公表される課題曲を、ピアノを弾きながら歌うというもの。

平成28年度の課題曲は 『かたつむり』  『オバケなんてないさ』の2曲でした。

楽譜は持ち込み可。ピアノではなく、ギター、アコーディオンの演奏でも可。

私は受験しなかったので、詳細は割愛します。


②造形表現について…

保育の一場面を絵画で表現する試験。

与えられたテーマをもとに、縦横19cmのスペースに色鉛筆で絵を描くというもの。

試験時間は45分と結構短め。

音楽表現と言語表現は前もって課題を知らされますが、造形表現の問題文と条件は試験当日に提示されます。
平成28年度の課題は、「4歳児が3人組で手をつないで輪を作り、保育士のオルガン伴奏にあわせて楽しくお遊戯会の練習をしている様子を描く」というものでした。

③言語表現について…

3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、課題のお話のうち1つを選択し、
子どもが集中して聴けるようなお話を行うというもの。絵本やメモの持ち込みはできないため、念入りに練習しておく必要があります。

平成28年度の課題は「うさぎとかめ」「おむすびころりん」「3びきのこぶた」「にんじん、ごぼう、だいこん」の4つでした。この中から1つ選んでお話をします。

 

私は「おむすびころりん」を選択しました。

ストーリーが単純で暗記しやすそうというのと、登場人物が少ないというのが理由です。

「3びきのこぶた」や「にんじん、ごぼう、だいこん」は登場人物が多く、声色を変えるのが大変そうだったので…

控室で待っている間、他の受験生の「お話」の様子が漏れ聞こえてくるのですが、大半は「おむすびころりん」を選んでいました。

やはり3課題の中では簡単に思う人が多いのでしょうかね。

 

なお、Youtubeで「保育士 言語表現」などと検索すると結構ヒットします。

言語表現で受ける方は参考にしてはいかがでしょうか。

 

合格後の手続き

実技試験から1か月後、合否結果のハガキが届きます。開いてみると結果は合格でした。

早速保育士証の交付申請手続きをするのですが、申請から受領まで約2か月かかるとのこと。

なぜこんなに遅いのでしょうかね。

 

保育士証が届くのを首を長くして待っていると、3月下旬に簡易書留が届きました。

念願の保育士証をゲット♪

2か月待たされただけあって、喜びも大きいです。これで正式に「保育士」を名乗ることができます。

私は保育士試験を経て取得したので「保育士試験全科目合格」との記載があります。大学等の過程を経て取得すると「指定保育士養成施設卒業」になるようです。

 

感想

思ったより簡単でした。

筆記試験は3年間の科目免除が受けられるので、ダラダラ受け続けていれば数回で突破できます。

実技試験にしても合格率が約9割なので、余程のミスさえしなければ受かります。

 

一発で合格するにはそれなりに腰を据えて勉強する必要があります。

ただ、2~3回受けて取れればいいというのであれば、片手間の対策でも余裕で受かる試験だと思います。

 

子どもが好きだからという理由で受験を決意したのですが、保育士証を取得した今、勤務先に事業内保育施設(託児所)を作って働くママさん達をサポートできないかな…などと考え中です。