疑心暗鬼 | ハンサムブログ
むやみに不安を煽る事は避けたいが、事実を知った上での不安は、今回の事態のような場合は、もう仕方が無いのだと思う。

原子炉の復旧の目処は一切たっていない。
最後の砦たる圧力容器は壊れ、炉心は溶融し、一部再臨界が疑われている。
使用済み核燃料貯蔵プールは建屋の爆発で跡形も無く破壊され、剥き出しの使用済み核燃料が瓦礫に埋もれて大気に晒されている。
各種配管、配線はずたずたに破壊され、汚染水がそこらじゅうにあふれ出ている。
史上最悪の猛毒、半減期2万4千年のプルトニウムの拡散が検出されたなど。

そんな絶望的状況のなか、作業員は文字通り命を削って被害拡大をなんとか遅らせる。

今回の事態を受けて、作業員の緊急時被爆許容限度が100mSvから250mSvに引き上げられるのだそうだ。
作業員にすれば、従来の限度値の100mSvを浴びること自体が、大変「怖い」事なのだと聞いた。

それが一気に2.5倍に引き上げられてしまうのだ。
250mSvという数字は、一度に浴びれば白血球の減少が見られるなど、急性症状も見られるような危険な値なのだ。

この改正が私には「国は特攻隊を編成しても、後に罪には問われない」という意味に聞こえた。

何年後かに4基の原子炉が石棺で完全に塞がれて、事態が収拾するまでに、いったい何人の人柱を奉げるつもりなのだろう。
チェルノブイリでは一基の原子炉を閉じ込める為に、80万人を動員したのだと聞いた。
そのうちの数千人は、もうこの世にはいないのだそうだ。生存者でも、後遺症に苦しむ人々の数は数え切れないだろう。

作業者に250mSvを浴びせても健康上問題無いというのならば、まず上に立つ方々が真っ先に250mSvを浴びて見せて来いと言いたい。絶対に無理だろう。

私がこんなふうに騒ぐわりには、隣県以外大した汚染被害が無いと思われるかもしれないが、これは事故以来の「神風」とも言えるような季節風に奇跡的に守られてきただけの話である。

http://www.weatheronline.co.uk/weather/news/fukushima?LANG=en&VAR=nilujapan131&HH=21
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それにしても、こんな情報を海外から拾って来なければ得られないという事に、大変な憤りを感じる。

現実問題として生活の場を放棄する事がかなわないと言うのならば、汚染大気拡散状況を逐一公表する事により、汚染気団に包まれている間だけでも屋内退避するとか、マスク着用を促すとか、子供の体育を外で行わないなど、体内被曝を最小限に抑える配慮はできるはずだ。

政府がそれすらしようとしないのは何故なのか、私にはさっぱりわからない。

自分で勉強して、自分で判断するしか、自分の身を守る方法は無いよという事でしょうか。