JELADO ANTIQUE GARMENTS &CO | HANDLERのブログ

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Handlerです。

どうです?最近少し秋っぽくなってきていませんかススキ

先月末から今日まで…僕は地獄の毎日を味わっていました。

みなさん、PCのバックアップやハード類の不具合、寿命ラインには充分気を配ってください。
用意がないというのはこれほど辛い物か……と毎回同じようなことを味わっている気がします。
まだいけるか…!?これが全てを台無しにします。


ようやく復旧にもめどが立ち、遅れに遅れた締めの伝票やらなにやら、お客様には多大な迷惑を掛けてしまいました。
改めてこの場を借りて謝罪致します!


ごめんなさい泣き3







さて、気分を変えて。



いつだったろうか、JELADO後藤さんよりサプライズtelがありました。
「今回のカタログ表紙はHandlerだよ」(テンション普通に…)

一瞬何のことだか理解するまでに時間が掛かりました。

「やばいよ」


カタログの表紙に……ニコニコ

しかしとても嬉しかったのですが僕の置かれている境遇は…PC乙って仕事にならず焦る自分。
まぁいいや。話が戻ってしまいます。
カタログといえばJELADOのカタログはカッコイイですグッド!
どんな表紙なのかとてもワクワクします。




で、毎号購入してます!(エイ出版さま)Lightning

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なんか、厚い。



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JELADOカタログktkr




自画自賛でごめんなさい。





かっこよすぎ……


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カタログには続々オーラ出っぱなしアウター。
特に展示会で異彩を放っていたのが、チマヨブランケットでした。僕の個人的意見で恐縮ですが、多くの受注を取っていました。納得です。

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JELADO NIGHTイベントで参加しました、横振り作品も。
僕は販促の回し者じゃありませんが(キッパリ)、自信を持ってお勧めします。



さて、
このシャツ刺繍は後藤さんのお誕生日に差し上げたプレゼントです。
一度でも袖を通してくれたら充分嬉しいのですが、思いの外後藤さんは気に入ってくださって、当時の展示会でもハンガーに掛けて頂いて、その後は店舗内に飾ってくださっています。
この人は人の喜ばせ方を知ってる…泣き1



個人的に差し上げた気分でしたので、ブログに晒すのもどうかと思って、ずっとペンディングしていました。
解禁になったので、今回は制作過程を。





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リバティーシャツに下がっている札からロゴを頂戴します!
ちっさいですかお
これでは仕事にならないので、抽出作業が必要になります。



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画像を高解像度で取り込み、イラストレーターでフォントのパス取りを行います。
だいたい下げ札のロゴを×600↑に拡大してトレースします。トレース誤差もこの段階で小さくなります。
本当はフォントを教えて頂ける状況ですと、鬼速で完成です。
無い場合はすべてトレースです。



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背中と
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前身。ヴィンテージの乗りだとユーザー名を刺繍だと思いますが、恐らく「絶対着ない」気がしましたので、addを刺繍にします。



それをシルクに焼き付けます。
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見えないけど、トレースした柄が焼かれています。
線やベタが焼けて穴が空きます。
スキージでノリを刷って、身頃に捺染します。

まぁ…
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見えません…
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本来残ってはいけない物なので、見えにくいくらいが丁度良いのです。
ただしシャンブレーの様な杢調の生地は、ことごとく捺染後が見えません…

やばいです。
1枚なら手書きしますが、沢山あると凄く辛いです。



刺繍してゆきます。
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僕のこのシャツにはコンセプトといいますか、ストーリーと言いますか。イメージがあります。


むかしむかしのWW2戦の後

リバティー号(船)に積み込まれたアメリカの輸出品は、座礁してあえなく沈没します。
幸い乗組員達は無事で、航路を通過中だった貨物船にピックアップされますが、積み込んでいた山のような貨物の回収には時間が掛かりました。
海水や風雨にさらされ、乾物や衣料品関係の貨物は壊滅状態です。

ようやく貨物の回収船が到着し、風化した貨物を明けてみると、塩漬けされたシャツが何枚も回収されました。


その海水に浸かり真っ赤にさびたハンガーに掛けられたシャツは、その当時需要過多の大好景気のさなか、昼夜を問わず生産されていました。それでも需要に供給が追いつきません。

戦後の日本で生まれたスカジャンのように、一にも二にも商品をかき集めなければならない様な、ゴールデンエイジな時代背景です。

ある工場では、ベテランの工員たちに混じり、見習いを過ぎた少女達もシャツに捺染された柄へ、一心不乱にミシンをフル回転させ刺繍を施してゆきます。
刺繍の埋め方(丁寧な具合)も、文字間の糸のワタリもとにかく時間の短縮に精を出した結果、十分に管理されていませんでした。







って細かすぎ…



またそういう時代があったら良いな。という気持ちもこめて。

というわけで斑に埋めたベタ、文字間の糸きりを省く仕様で刺繍。
特に注意したところは、「手を抜くのはベタと糸の渡りだけ」です。
文字のアウトライン(文字本来の形)は極力トレースされた原本を逸脱しないように刺繍しました。企業イメージを左右する骨格なので、アウトラインはしっかり抑えます。

これは僕の持論です。というか今回のストーリーではそうなっています。




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ごく稀にアウトラインからわずかに飛び出したベタも、数箇所用意しました。
これはすっごくいやな気分でした…ガーン
直したい衝動に駆られました。

がしかし!直す暇などない生産風景をイメージしてスルーです。
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刺繍の完成です。
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斑に埋めてもアウトラインがオリジナルに近いと、やはり安心な出来栄えです。
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この辺の刺繍の完成度に関してはいろいろあると思います。
アウトラインを無視したヴィンテージ品には、また違ったよさがあります。
やはりコンセプトが重要かな。



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鉄とシャツが塩漬けされ、衣服に赤錆が移染する仕様ですので、錆加工です。
いろいろな事情で多くは語れません。察してください!


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下げ札も
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当然汚れます。



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左胸のワンポイント




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そうそう、久しぶりのブログアップで忘れておりました。
これ、刺繍完成後にコーヒー染めしています。
綿糸はアイボリーを使用しまして、それをまず斑に染めます。それからエイジング加工です。
なので元の綿糸カラーではありません。




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サイズはA3限界まで大きくして、無骨さを猛アピール。



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これですべて完成です。








やはりストーリーがある物づくりは楽しいです。

長いことすみません。

このシャツはJELADOさんに飾っていただいております。
お近くの方はぜひお店に遊びに行ってみてくださいべーっだ!

http://jelado.ocnk.net/
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それではまた次回