ポポーは一本でも実がなります | 銀燈花園芸日記

ポポーは一本でも実がなります

園芸カタログを見ると

ポポーは一本では実がなりません

ポポーは一本では実が少ししかなりません

などと書いてあります

でも少しの工夫でたくさん実らせる事が出来るんですよ



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中央がポポーの花

左は単身赴任で手が掛けられなくて散ってしまった花

ポポーは次々と開花するので皆さんの地方でも開花しているのではないでしょうか?


僕はポポー(サンフラワーと言う品種)を一本だけ育てています

でも毎年飽きるほど実をならせています

そのコツの一つは剪定

苗を買ってきたら50センチくらいの所で切ってしまいます

すると横の芽が成長して左右に広がる樹形になります

そのうち何本かを延ばして杯状の樹形に育てます

それを梅や桃などでは解放樹芯と言います

そうすることによって小さな枝を増やす事が出来ます

小さくても大きくても枝の先のほうには花芽が付きます

だったら小さい枝を増やしたら花がたくさん付きますよね

それと管理が大変なので木の高さは2mで止めています


コツのもう一つは肉です


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手羽先をぶら下げてあります

何かのおまじないでしょうか?


ポポーの花の臭いをかいだ人は

「うっすらとした雑巾の香り」と言う人が多いのですが

それもそのはずポポーにはミツバチなどは訪れません

何が花粉を媒介するのか、それはハエなんです

だったらハエを集めればいいのですが

気分的に使いたくない物も多いので

僕は手羽先を使っています

アメリカの農園では牛肉を使っているそうです


花をたくさん咲かせる事は今スグにはできませんが

肉をぶら下げる事は割と簡単なので

ポポーの栽培をしている方は試してみたらいかがでしょう


ここからは少し難しい話になります


ポポーの花は両性花ですが

メシベが先に熟す雌性先熟なのです

だからたくさん花があれば、メシベが熟した時に花粉が出ている花もあるはず

桜などに見られる自分の花粉では実をつけない性質

これを自家不親和性と言いますが

ポポーはそういう理由ではありません

一つの花で見れば花粉が出る時にはメシベはすでに枯れています

同じ株の他の花でも良いから花粉を受け取る必要があります


もう一つは媒介する昆虫です

ミツバチや蝶など、可愛らしい昆虫はポポーに集まりません

でも花が少ないと臭いでハエを集める事が出来ません

これが大木ポポーに実が多い理由です

花が多ければそれだけ臭いが遠くまで届き

ハエをたくさん集める事が可能になります

肉をぶら下げる事で少ない花の臭いをサポートして

集めたハエにはメシベの熟した花、オシベの熟した花問わず訪問して貰って

メシベに花粉が届くような手助けをします


長々と書きましたが

ポポーは一本で実がなります

高い苗を二本も植えればお金も掛かります

増してや果樹なのでスペースも取ります

樹が高くなれば落果した実には傷が付きます

剪定と肉であなたのポポー栽培に豊作が訪れるよう

願ってやみません