文科省は、日本人の若者の内向き志向を改めることを目的に、
英語教育の強化策を話し合う検討会を立ち上げたそうです。
同省が2003年に策定した目標は
1.中学で英検3級程度、
2.高校で英検準2級、
3.英語教員は英検準1級程度
の習得だったそうです。
問題は、この目標の達成率の低さではなく(達成率は上から2割、5割、だそうです)
目標設定を「英検」にしているところです。
英検は、まさにことばの切り売り、文法や単語に限定された部分習得以外何も測定できません。
ことばの目的は、意思疎通です。
大学院時代に、「TOEICはどの程度英語力を測定できるのか?」というテーマで論文を書きました。
日本に流通する各英語テストの妥当性検証をし、
学界誌での発表のオファ-を受けるほど高い評価をいだたきました。
応用言語学界の長い研究史のどの文献をたどっても、どの研究を基にしても
英検、TOEICは英語力を測定するのにふさわしいテストとは言えません。
日本人が日本人のためだけに作ったこのテストに、拠り所を見出そうとしている限り、
日本の英語教育は改善されることはないだろうと思います。
今回の検討会で、まともな有識者が的確な意見を上げてくれることを、切に願います。
(*論文は2冊手元にありますので、ご興味のある方にはお貸しいたしますのでお声かけください。)