タイトルに①②③・・・と番号振ってきたが永遠に続かないことを知った。
数字にマルがつくのは20番までらしい。
長編になる時は番号の付け方に工夫がいる。
前日は長時間の運転でぐったりとなったが、ありがたいことに空気が綺麗な場所で体力の回復が驚くほど早い。
部屋の暖房をつけ、着替えを済ませる。
泊まった宿はビーチに面した平屋建て、豪華な宿ではないが贅沢な造りだ。
ホットコーヒーに甘いココアを混ぜたものを手にデッキからビーチへ出た。
風がある。耳がキーンとするほど空気が冷たい。
ビーチを歩いてみたが5分もしないうちデッキへ戻った。
Crescent City、旅の始まりに選んだのにまだ辺りをあまり見ていない。
着いたばかりの時は地図を頼りにようよう走ったが、今となれば標識だけで十分走れるほどの小さな町だ。空港から来た時の道が気になり車を北へ走らせてみた。
何も遮るものがない太平洋、朝日が照らす海は美しくてそれを眺めに来る人は少なくない。
道沿いに車を停める人、助手席からムービーを撮る人、ビーチを散歩しながら眺める人。
遠くの岩場から聞こえる「アオゥッ、アオゥッ・・・」Sealだ。
写真に収めるには遠すぎるが、良く見ると茶色いものが時折海へダイブしている。
空港のすぐ近くから町を見るとレッドウッドを包む霧が見えた。
乾季にあたる夏は海から立ち上る水蒸気が巨大なRedwoodの森を育む。
「ああ、まだ見たい・・・」
車を再び南へ向ける。
港そばのLight House、満潮時は海の向こうになるらいしが道はつながっていた。
建物横の木に吊り下げられたさまざまな種類の「浮き」。
航海の安全を願ってだろうか?
海岸線沿いから入った路地に面した家では道沿いのフェンスにいくつも飾られていた。
さて、だいぶ明るくなり港脇にあるサーフショップに寄ってみる。
「今日サーフィンしたいんだけど、どうかな?」
「残念だけど風のせいで波が小さいからね。ボディボードなら大丈夫よ。」
まだ数日いるならともかく、だ。
サーフィンは次回の楽しみとし、例のお土産を買って店を後にした。
すると再び「アオゥッ、アオゥッ」に混じり
「ウーーーーオッ、ウーーーーーオッ」かなりドスがきいた声が聞こえてきた。
海へ伸びたデッキの向こうにSea Lionが居座っていた。
彼らはいつもここにいるらしく、触って刺激しなければ写真が撮れる。
周囲は海鳥も多く、カモメに混じり少しだけ沖の方でBrown pelicanが魚を採る光景を見た。
いや、一人だったら気付かなかったのだが他の散歩に来ていた人から色々教わった。
たとえばこの港そばでもTide Pool(潮だまり)が現れると色とりどりの貝や、sea star(ヒトデ)、sea anemone(イソギンチャク)が見れるらしい。また一年を通してクジラの姿が見える。
Abalone(アワビ)はもちろん西海岸では刺身も食べるし(魚の名前が色々でてきたがTunaしか分からなかった)、シアトルではフグ刺しを食べる(笑) やはり薄切りで花のように輪にして皿に盛る。調理にはライセンスが必要だと・・・
それからLight Houseでは幽霊がでるというのだ。
久しぶりに魚が食べたくなりレストランに入ったがfish&chipsを頼んだのは間違いだった。
魚は新鮮で美味しい、量が半端じゃない。アメリカサイズは後の食事に支障がでる。
早めの昼食を済ませ、午後は再びドライブへ出かけることにした。
車の警告灯「Break」が相変わらず光っていたが、もうどうでもいい。
Hertzまで行く時間すら惜しかったのだ。