ハリネズミの願い

 

 トーン テレヘン (著), Toon Tellegen (原著), 長山 さき (翻訳)

 

新潮社 2016年6月

 

 

ある日、自分のハリが大嫌いで、ほかのどうぶつたちとうまくつきあえないハリネズミが、誰かを家に招待しようと思いたつ。さっそく手紙を書きはじめるが、もしも○○が訪ねてきたら、と想像すると、とたんに不安に襲われて、手紙を送る勇気が出ない。クマがきたら?ヒキガエルがきたら?ゾウがきたら?フクロウがきたら?―さまざまなどうぶつたちのオソロシイ訪問が、孤独なハリネズミの頭のなかで繰り広げられる。笑いながら、身につまされながら、やがて祈りながら読んでいくと、とうとうさいごに…。オランダでもっとも敬愛される作家による、臆病で気むずかしいあなたのための物語。

 

自分のハリを誇らしく思う気持ちはあるけれど、その反面、ハリがあるため、みんなは自分のことを嫌っていると思い込んでいるハリネズミ。

 

でも、他の動物たちと友達になりたい。

家に遊びに来てくださいと手紙を書く。

しかし、手紙は、出さず、もし、動物たちが訪ねてきたらと想像を膨らませる。

 

 

その想像がおもしろい。

それぞれの動物の特徴をとらえていた。

 

 

自分の殻に閉じこもり、一歩が踏み出せない。
そんな様子をはりねずみに例えての物語になっているように思う。

 

みんなからきらわれていると思っていても、それは自分の思い込み。

そして、近くに友はいる。

そんなことを物語っているお話だった。


お気に入り度★★★