テロリストの処方

 

久坂部羊 集英社 2017年2月

 

 

医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。医療勝ち組と負け組に患者が二分され、同じく医師も、高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。日本の医療界全体を揺るがす陰謀が、うごめき出す―。傑作医療ミステリー!

 

先日読んだ本に続き、この作品も医療の問題に迫っている。

 

近未来、医療制度が破たん。高額医療が受けられる勝ち組と充分な医療が受けられない負け組に二分化され、医者も勝ち組と負け組に分かれた。

 

そんな中、勝ち組を狙ったテロが発生する。

 

ミステリーとして、おもしろい。

ねじ曲がった考え方から起こした事件だ。

 

 

そして、医療の問題は、保険制度の問題点、大学病院の在り方等、真に迫るものがある。

この話は極端な出来事ではあり、実際とはかけ離れた話ではあるが、こういうことが起こりうるのではないかと思えてきて、とても不安な気持ちで読み終えた。

 

お気に入り度★★★★