魔法使いと副店長

 

越谷 オサム  徳間書店 2016年11月

 

 

藤沢太郎(41歳)。憧れのマイホームを買ったばかりなのに、いきなりの転勤命令!妻と幼い息子を残し、湘南にあるスーパーで、本社復帰を目指し、副店長としての業務に勤しむ日々。ある日、自宅アパートの窓から、箒に乗った女の子が突入!アリスと名乗る見習い魔法少女と彼女を見守る役目だという小動物“まるるん”に居候を決めこまれてしまった。慣れない女の子との非日常な暮らしの中で、少しずつ見えてくるもの、変化していくものとは?いかにもライトノベルのような設定から始まる、ハートウォーミングな家族小説!

 

 

魔法使い見習いのアリスと見守る役の動物まるるんが、副店長であり単身赴任している藤沢太郎のところに居候するところから物語は始まる。

 

最初は、ファンタジーな感覚で、軽いのりで読み進んでいったのだが・・・・・・・

 

副店長としての頑張りとか、家族との関係とか、友達の警察官との関係とか、普通の社会の中の出来事が主で、日常の生活の中にアリスがいるといった印象だった。

 

アリスは、近所やお店の人たちとうちとけていき、アリスの存在が、副店長の日常を変えていく。そのアリスの純粋さがよかった。

 

アリスの過去とか、ひとり店にいる少年の話とか、結構重たいテーマだけど、さらっと触れている感じで、重くならずにすんでいる。

 

アリスちゃん、純真でがんばりや。魔法の練習、頑張れって応援した。

それを見守るまるるんのつかず離れずの距離感もいい。

 

一緒に生活するうち、副店長とアリスは父と娘といった関係になったし、アパートの水嶋夫人とは、祖母と孫ような関係になったこと、よかったと思う。

 

副店長の奥さんの久美子さん、最初は疑っていたけれど、夫を信じるその変わり身の早さに度胸の据わった人だと思う。内助の功がすてき。

 

 

読み終わって、ちょっとした奇跡は、魔法使いの仕業なのかな?って思うようになった。

 

 

 

お気に入り度★★★★