蜜蜂と遠雷

 

恩田陸 幻冬舎 2016年9月

蜜蜂と遠雷 蜜蜂と遠雷
 
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3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

 

私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!

 

 

 

ピアノコンクールの話だけで、こんなに盛り上がるとは、なんて、素晴らしい小説なんだろう。

 

言葉巧みで、豊かな表現に、ピアノの素晴らしい演奏が聞こえてきそう。

 

 

 

天才肌の出演者たちのコンクール。

ライバルでありながら、競っているというよりは、仲間意識を感じているところがいい。

予選,を勝ち残っていくにつれ、成長していくところもいい。

 

そして、若い人たちに交じって、今はサラリーマンという男性が家庭と仕事がありながら、コンクールに出場していて、夢をあきらめずに挑戦している姿もよかった。

 

審査員の人物像も描かれていて、審査員側からの目線も感じられた。

 

読み終わった後も、音楽の余韻に浸っている感じ・・・・・・・・・・・

 

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