戦場のコックたち

深緑野分 東京創元社 2015年8月


戦場のコックたち/深緑 野分
¥2,052
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一晩で忽然と消えた600箱の粉末卵の謎、不要となったパラシュートをかき集める兵士の目的、聖夜の雪原をさまよう幽霊兵士の正体…誇り高き料理人だった 祖母の影響で、コック兵となった19歳のティム。彼がかけがえのない仲間とともに過ごす、戦いと調理と謎解きの日々を連作形式で描く。第7回ミステリー ズ!新人賞佳作入選作を収録した『オーブランの少女』で読書人を驚嘆させた実力派が放つ、渾身の初長編。

途中まで読んだ 戦場のコックたち の続き、第3章からです。
「第三章ミソサザイと鷲」「第四章幽霊たち」「第五章戦いの終わり」


零下何度という過酷な状況の中で、それでも、温かいものをと料理して持っていくが、着いたころには冷たくなっているという場面があった。戦時下においては、食事をとるのも厳しいことなのだ。

コック兵というのは、戦場で、戦士たちの食事を作っていればいいだけでなく、自らも武器を取り戦わなくてはならない。たいへんな任務を背負っているのだ。

戦争が佳境に入り、今まで一緒に戦ってきた仲間が次々に倒れていく様は読んでいくのがつらかった。

そんな中で、、自害した夫婦の遺書の意味、突然奇声を上げて出て行った兵士のわけ、
幽霊騒ぎ等のなぞを解明していく。

どこにでも、謎はあるだろう。それを紐解いているところに面白みがあるが、それよりも、戦争の痛ましさを感じた読書となった。

お気に入り度★★★★