プラージュ

誉田哲也 幻冬舎 2015年9月



プラージュ/誉田 哲也
¥1,620
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たった一度、魔が差した結果、仕事も住む場所も失ったサラリーマンの貴生。やっと見つけたシェアハウスで、人生をやり直す決意をした矢先に、一人の女性住人に「夜這いし放題よ」と耳打ちされて…。あるシェアハウスに住む、厄介者たちの物語。



貴生は、たった1回の覚せい剤使用で執行猶予となり、旅行代理店の仕事をやめる。火事でアパートがやけてしまう。新しい仕事を探すも、前科者というレッテルがつきまとう。貴生は、この先、やっていけるのか?


一度罪を犯してしまったら、その人は、人生をやり直すことができないのか?

 

更正のむつかしさを考えさせられる1冊だ。

 


 

このシェアハウスに住む人たちは、過去の過ちを背負って生きている、いわゆる前科者だ。しかし、ここでの生活は、とてもまじめに感じる。前科者の中 で何度も罪を重ねてしまう人たちもいるだろうが、ここで暮らす人たちは、反省し、罪を償い、自分の過去を真摯に受け止め、これからのをまじめに生きようと している。そんな集まりだ。


覚せい剤使用なら本人の問題だけど、殺人となると、殺された相手の身内のことなど考えると、複雑が気持ちになる。


しかし、こういう場所があって、救われる人もいることは、確かだと思う。



食事は、用意してくれて、一緒に食べる。ドアを設けない部屋、そこにはプライバシーがない。自分で考え、行動するしかない。そんな生活が、彼らを変えていく。そして、ここから巣立っていく。


こういうシェアハウスを作ろうと思ったわけ、住民の事情などが徐々に明らかになっていく。


そして、この話は、ミステリーで、記者が追っている事件のその後もどうなっていくのか?




 

悲しい出来事は、あったけれど、最後は、きれいにまとまりすぎている気がするが、幸せなのは嫌いじゃない。

 


お気に入り度★★★★