Aではない君と


薬丸岳 講談社 2015年9月


Aではない君と/薬丸 岳
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勤務中の吉永のもとに警察がやってきた。元妻が引き取った息子の翼が死体遺棄容疑で逮捕されたという。しかし翼は弁護士に何も話さない。吉永は少年 法十条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける『付添人制度』があることを知る。生活が混乱を極めるなか真相を探る吉永に、刻一刻と少年審判の日が迫 る。



元妻が引き取った息子の翼が死体遺棄容疑で逮捕された。翼は弁護士に何も話をしない。翼は、犯行が行われたと思われる時間に吉永に電話をしているが、吉永はでることができなかった。

翼は、本当に同級生を殺したのか?いったい何があったのか?

重い内容であるが、事実が気になり、ページをめくるのが止まらない。


わが子が出しているSOSをわかってやることのむつかしさを感じる。


わが子が罪を犯した時、親はどうすればいいのか?


離れて暮らすわが子のことを何もわかっていなかったと思う吉永。あの時、電話に出ていたら、こんな結果にならなかったのではないかと悔やむ吉永。


親として苦悩する吉永の気持ちが痛かった。


会社の一線からはずれ、新しい恋人とも別れ、記者から追われ・・・・・・・

そんな中でも、息子、翼のことを一番に考えている吉永の姿に親としてのあり方を考えさせられた。



<心とからだ、どっちを殺したほうが悪いの?>

この言葉、痛々しい。


親が付添人になることができる。そういう制度があることを初めて知った。


加害者、その親、被害者の親、それぞれの立場から描かれていて、いろいろ考えさせられる内容だ。

 

少年犯罪を書かせたら、薬丸さんは、すごいな。

 

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