森に願いを

乾ルカ 実業之日本社 2015年2月



森に願いを/実業之日本社
¥1,620
Amazon.co.jp


【目次】
■色づく木――鏡の森
■春めく木――我は地に伏し
■雪待つ木――インディアンサマー
■病の木――夏の名残のバラ
■育ちゆく木――五十二歳の秘密基地
■とらわれの木――揚げひばり
■新たなる木――光差す場所
 


いじめ、就職、恋愛、不治の病…さまざまな思いを抱えた人々の運命を変える言葉とは?静かな感動を呼ぶ「森」のミステリー。


森を歩きたくなる、そんなストーリーだ。

登校拒否の中学生の息子のことで悩む母親・亜希子。
内定をもらった就職先は自分が求めているものとは違うと自分の能力を発揮できる仕事を探すが決まらない麻衣。
自分の病気のことを知り、一切の治療はせず、痛みの緩和ケアをすると決めた丹。
高等部の文化祭のシナリオをまかされたがうまくいかず、クラスにいる意味を見失った長部。
職場では今は名ばかりの係長で、リストラされるのではないかと悩む52歳の鳥居。
以前勤めていた会社を辞めたのは小南のせいだと決め付け、悪口をネット掲示板に書き続ける奈々。
制服のまま森に横たわる高校生。



彼らは、森の番人に出会うことにより、自分なりの答えを見出していく。やさしい物語。

森の番人は、森に来た人を受け入れ、その人に寄り添う。時には話を聞き、時には仕事を与える。その接し方がステキだなと思った。

そして、最後の章では森番の秘密も明らかに・・・・・・・


お気に入り度★★★