虚ろな十字架


東野圭吾 2014年5月


虚ろな十字架/東野 圭吾
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別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。


11年前に子供を殺され、離婚した中原は、元妻が殺されたと知り、真相を追うが、元妻の小夜子は、我が子のことが忘れられず、ライターとして、死刑問題を扱っていたことを知るが・・・・・


身内を殺された遺族は、犯人が死刑にならないと、気持ちがおさまらないのか?かといって死刑になったからといって、犯人が反省の色もなく、謝罪もないまま死刑になったとしても、遺族の心の平静を得られるものでもない。
苦しみはずっと続くのだと思うと重い気持ちになった。


若いときの過ちを悔いて、償おうとしている男の姿があった。
警察に自首することだけが、正しい道ではない?
罪を償うというのはどういうことなのか?考えさせられる内容だ。


小夜子の気持ちがわからないではないが、考え方は一方的であり、人の生活にまで踏み込むべきことではなかったのでは!?


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