敬語で旅する四人の男

麻宮 ゆり子  光文社 2014年7月

敬語で旅する四人の男/光文社
¥1,620
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真島圭太・29、律儀で真面目、振り回され上手なモラリスト。繁田樹・33、上昇志向が空回りする、女好きバツイチ研究者。仲杉幸彦・28、チャラい言動 で自爆しがち、人なつっこい営業マン。斎木匡・30、人の気持ちをはかるのが絶望的な不得意なイケメン。仲良くもなく、友だちでもない四人の青年。ひょん なことから連れ立った旅先に、それぞれの人生の答えがあった!…のか?ちぐはぐな会話、歯がゆい距離感。四人それぞれの、ひそやかな決意




四人の男たちの佐渡旅行。友達でもない四人がなぜ、旅行することになったのか?その理由もすんなりと受け入れることができた。

そして、それぞれの章で、一人ひとりの事情が、明らかになっていく。

両親の離婚後、仕送りをしてくれていたが、大学を卒業してから、姿を消した母に会いにいく真島圭太・・・・・
離婚し別れた妻花江の元で暮らす子ども泰平。元妻一家から、泰平を京都の愛宕山に登らせてやってほしいと依頼を受ける繁田樹・・・・・・・・
鳥取で、高校を出た後亡くなった仲のよかった同級生の女の子のことを思い出す仲杉幸彦・・・・

そして、斎木匡はというと・・・・・・・・

仕事はとても優秀なのに、人の気持ちが理解できない。話している内容を言葉通りの意味にとってしまう。時間や食べ物などにこだわりが強く、曖昧さを許せない。思うとおりにいかないといらだってしまい、心を落ち着けるのに時間を要する。


会社にも、特別枠で入った。周りの人たちにとって、斎木のような人物は、つきあいにくに違いない。

しかし、斎木は、ある意味純粋だから、本音を見抜いてしまう。章の最後で語る斎木の言葉が、見事だった。


斎木のような人物と付き合うことは。面倒なことも多いだろう。最初は戸惑うだろうが、彼のことがわかってしまえば、こっちが気を使って接すれば、よい関係をもてるのではないだろうか。、一緒に旅した人たちは、自然に接している。その姿が、よかった。


斎木とアルエ。上手投げしちゃうんだから、すごいねぇ。この二人の関係、長く続けばいいなあ。



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