盲目的な恋と友情

辻村深月 新潮社2014年5月


盲目的な恋と友情/辻村 深月
¥1,620
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一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。恋にからめとられる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつ ける。これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への―。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書き下し長編。


「恋」

宝塚の母を持つ美しい蘭花、蘭花の大学に指揮者としてして来た茂実。
男におぼれるの女の姿が描かれている。
 
最初は、みんなのあこがれのカップルだったにせよ、茂実が落ちぶれ、変貌してしまっても、茂実に執着してしまう女の性・・・・・・・。
こんな恋愛やめなさいと忠告したくなった。


私、帯の紹介も何も読まず、どんな話しか知らずに読み始めたので、恋愛小説なんだと思って読んでいたが・・・・・・
 

 
後半の「友情」
蘭花の友達留利絵の視点で描かれてる。この作者の描きたい部分は、ここか?
留利絵は、容姿にコンプレックスを感じていて、屈辱感を抱いている。
美しい蘭花とは対照的。しかし、二人は友達となる。

 

「恋」の同じ場面で、留利絵はこんな風に思っていたのかと・・・・・・
 
育ち、コンプレックスから、こんな風にねじまがった考え方になるとは・・・・・・
 

ぞっとするような女の本性・・・・・・・おそろしい。
留利絵にとって、蘭花がすべてだったんだろうな。

題名の“盲目的な”は“恋”と“友情”どちらにもかかる形容詞なんだ。
~盲目的な恋と盲目的な友情~



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