村上海賊の娘

和田竜 新潮社 2012年11月


村上海賊の娘 上巻/新潮社
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村上海賊の娘 下巻/新潮社
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和睦が崩れ、信長に攻め立てられる大坂本願寺。海路からの支援を乞われた毛利は村上海賊に頼ろうとした。その娘、景は海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女だった…。


織田方の猛攻を雑賀衆の火縄が止め、門徒の勢いを京より急襲した信長が粉砕する。毛利・村上の水軍もついに難波海へ。村上海賊は毛利も知らぬ禁じ手と秘術を携えていた…。信長vs.本願寺、瀬戸内と難波の海賊ども…。ケタちがいの陸海の戦い!木津川合戦に基づく一大巨篇。




スペクタル巨編。読み応えのある作品だ。
どのような戦力で戦ったのか。次の戦略は?歴史に疎い私でも、おもしろく読めた。
しかし、戦闘の場面は、首が転げ落ち、小さな子供でさえ、「殺してしまえ」と叫ぶ。それが、当たり前の世界にひいてしまった部分はあるが・・・・・・・


村上の中では、醜女と呼べれていても、泉州ではもてもての姫様。ところ変われば、感じ方が違うというところは、おもしろい。


ただただ、戦うことの勇ましさや華やかさを求めて戦ってきた景。しかし、、男たちがひとえに家の存続のために戦っていることを知り、心がうちのめされて、一度は戦うことをやめる。

しかし、景を奮い立たせたものは何だったのか?

極楽浄土はすでに決まっていたと信じていても、前に前に進む源爺の姿が忘れられなかったのではないか。
本願寺の門徒たちを助けたい。その一心だったに違いない。
その純粋な気持ちに心打たれる。
劣勢と分かっていても,後退することなく前に突き進んでいく景の姿はあっぱれ!


少年留吉が、人として慕っていても、立場として追い返す場面は切なかった。


海賊の眞鍋七五三兵衛は存在感があった。

景の兄景親は、景と一緒にいると、臆病者のように描かれていたが、後に、立派な人になったのには、驚き。

就英と景
、いつかは、結ばれるものだと思っていたが・・・・・・・・



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