よるのふくらみ

窪美澄 新潮社 2012年2月


よるのふくらみ/窪 美澄
¥1,512
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祝福された愛に、孤独を深める女。思いを秘めたまま、別の恋に堕ちる男。離れていく心に、なすすべのない男。ままならない心と身体を描く恋愛小説。



圭祐と同棲生活をするもセックスレスの状態に悶々としているみひろ。
セックスがなくても、心が通じていればいいと思っている圭祐。
兄圭祐とつきあうようになったみひろを忘れられない裕太。

兄弟でも、
圭祐と裕太は、全然違う。

みひろは不妊治療により妊娠、裕太には新しい恋人ができ、それぞれの道が開けたようにみえた。しかし・・・・・・・・

みひろ、裕太、圭祐の恋愛模様を描いている。性に関する本音も語られていて、どきどきした。
みひろ、裕太、圭祐、3人それぞれの気持ちがわかるだけに、気持ちの行き違いにやるせなさを感じた。

みひろの母親は、みひろが中学生の時に不倫相手と駆け落ち、再び戻ってきて父と暮らしている。
裕太、圭祐の父親は浮気相手の子を母親に認めさせようとする。
そんな両親の事情も、3人の気持ちに影響を与えている。

この物語は、人の心の中がより深く描かれていたように思う。


結ばれなかった一人にも救いのあるラストがよかった。


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