サクラ咲く

辻村深月 光文社 2012年3月


サクラ咲く (BOOK WITH YOU)/辻村 深月
¥1,000
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若美谷中学1年5組の塚原マチは、自分の意見を主張できない、頼み事を断れない、そんな性格を直したいと思っている。ある日、図書室で本をめくっている と、一枚の紙が滑り落ちた。そこには、丁寧な文字で『サクラチル』と書かれていた。貸出票には1年5組と書いて、消された跡がある。書いたのは、クラスメ イト?その後も何度か同じようなメッセージを見つけたマチは、勇気を振り絞って、返事を書いた。困っているはずの誰かのために―(「サクラ咲く」他2編収 録)。中高生が抱える胸の痛み、素直な想いを、みずみずしく描いた傑作。中学生から。


辻村さんの作品で中学生から読めるものがでていたんだね。見逃していた。
進研ゼミ「中学講座」連載作品だけあって、サクサク読める。
中高生が主人公で、青春そのまま。部活あり、友情あり、恋あり、悩みあり・・・・・・・・

そこに、辻村さんのテイストが生きている。

「約束の場所、約束の時間」「サクラ咲く」「世界で一番美しい宝石」
からなる短編小説。
転校生の菊池悠はどんな少年なのか?本に挟まっているメッセージは誰が書いたものなのか?図書室の君は、なぜ、演劇をやめたのか?
それぞれに謎解きがあって楽しめる。読後感もいい。

「未来は変えられる」「学校は誰のもの?」とか、印象に残る言葉も・・・・・

しかし、それだけではない。この小説の醍醐味は、この話がつながっているところ・・・・・・・

あの人が、ああなっているんだ!
そして、あの時の約束、果たすことができたんだ!
とってもうれしくなった。


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