クローバー・レイン

大崎梢 ポプラ社 2012年6月
クローバー・レイン (一般書)/大崎梢
¥1,575
Amazon.co.jp

本を「作る人」になってみて、わかったこと、思ったこと。あちこちに熱い思いが迸る、小説が届くまでの物語。


老舗の千石社に勤める工藤彰彦。過去の作家と言われている家永の「シロツメクサの頃」の原稿を読み、本にしたいと思う。しかし、困難がたちはだかる・・・・・・・

本ができるまでには、クリアしなければいけない問題がたくさんある。
文学賞に絡むか映画化されるような本なら、出版社も否応なく出版してくれるが、そうでない場合、本にすることの難しさを感じた。そして、本になったとしても、売れなくては、増刷されるまでもなく、消えていってしまう。


そうだよね。どの本がおもしろいか、感動するのかなんて、読んでみなければわからない。何を基準に読者は本を選ぶのかといったら・・・・・・・
読んだことのある作家の本は手に取りやすいけれど、初めての作家の本は躊躇する。そんな時、新聞やTVで話題になっていたり、書店で店員が紹介するポップがあったりすると読みたくなる・・・・・

いい本であっても、読まれずに埋もれてしまってはもったいない・・・・・・
彰彦は、本を出版するために、一つひとつの困難を取り除いていく。
彰彦がどうしても「しろつめくさの頃」を本にしたいという情熱を感じた。

作家、編集者、営業の想い、また、他の出版社との絡み・・・・・・・
ひとつの本ができあがるまでに多くの人の想いが込められているんだと思った。

若王子の売り込みの戦略ににんまり・・・・・・

彰彦の恋愛、一度は、あきらめたものの、これからの展開に期待したい・・・・

彰彦に影響を与えたなおって、どんな人だろうと思っていたが、訳があったんだな。
ラストは、うんうん・・・・・・・・よかった。


お気に入り度★★★★★