虚像の道化師

東野圭吾 2012年8月


虚像の道化師 ガリレオ 7/東野 圭吾
¥1,418
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指一本触れずに転落死させる術、他人には聴こえない囁き、女優が仕組んだ罠…刑事はさらに不可解な謎を抱え、あの研究室のドアを叩く。

「幻惑(まどわ)す」

ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。その場にいた者たちは、男が何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りたと証言し、教祖は相手 に指一本触れないものの、自分が強い念を送って男を落としてしまったと自首してきた。教祖の“念”は本物なのか?

新興宗教の教祖の念ってあるわけがないとは、思ったけれど、こんな方法があったとは!これこそ、湯川の出番って感じのトリックだった。



「心聴(きこえ)る」
突然暴れだした男を取り押さえようとして草薙が刺された。逮捕された男は幻聴のせいだと供述 した。そして男が勤める会社では、ノイローゼ気味だった部長が少し前に自殺し、また幻聴に悩む女子社員もいた。幻聴の正体は――

幻聴の正体に、なるほどって感心したのに、実際にはない装置なのね。


「偽装(よそお)う」
大学時代の友人の結婚式のために、山中のリゾートホテルにやって来た湯川と草薙。その日は天候が荒れて道が崩れ、麓の町との行き来が出来なくな る。ところがホテルからさらに奥に行った別荘で、夫婦が殺されていると通報が入る。草薙は現場に入るが、草薙が撮影した現場写真を見た湯川は、事件のおか しな点に気づく

傘を貸してくれた女性多英にたいする、湯川のやさしさがよい。



「演技(えんじ)る」
劇団の演出家が殺された。凶器は芝居で使う予定だったナイフ。だが劇団の関係者にはみなアリバイがあった。湯川 は、残された凶器の不可解さに着目する

こんなことも演じてみたいの?劇団員の考えは変わっている?

おなじみの湯川、草薙、内海の活躍が楽しめた。

お気に入り度★★★