ソロモンの偽証 第II部 決意

宮部みゆき 新潮社 2012年9月


ソロモンの偽証 第II部 決意/宮部 みゆき
¥1,890
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騒動の渦中にいるくせに僕たちは何も知ろうといなかった。けど、彼女は起ちあがった。校舎を覆う悪意を拭い去ろう。裁判でしか真実は見えてこない!彼女の 覚悟は僕たちを揺さぶり、学校側の壁が崩れ始めた…気がつけば、走り出していた。不安と圧力の中、教師を敵に回して―他校から名乗りを上げた弁護人。その 手捌きに僕たちは戦慄した。彼は史上最強の中学生か、それともダビデの使徒か―。開廷の迫る中で浮上した第三の影、そしてまたしても犠牲者が…僕たちはこ の裁判を守れるのか!?

自分たちで何とかしようと、学校内裁判を考え出すなんて、中学生にしてはすごい。そして、それを現実のものにしていくのだから・・・・・・

何もしないで大人たちのいいなりの結果で満足することなく、納得がいく答えがほしいという考えには賛成できる。

検事側、弁護側が、学校内裁判に向けて、それぞれに聞き込み(?)を行っている様子が、ていねいに 事細かに描かれているので、登場人物一人ひとりの気持ちに寄り添うことができた。

中学生にしては頭がきれる場面あり、中学生だからこそできる調査の仕方があり、これからの展開が気になるところ。

落ちこぼれとしか先生の目には映っていなかった野田が、実は実力を隠していたり、不良の代表格、大出の家庭の事情がわかってきたり・・・・
外見からみえる印象とは違う面がみえてくる。さて、柏木はどんな面をもっていたのだろう?

神埼がなぜ、弁護を引き受けたのか、裁判はどうなっていくのか、柏木の死の真実とは?3を読むしかないようだ。

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