ヒア・カムズ・ザ・サン

有川浩 新潮社 2011年11月


ヒア・カムズ・ザ・サン/新潮社
¥1,365
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真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やか に。ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。父は、ハリウッドで映画の仕事をし ていると言う。しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた…。わずか7行のあらすじから誕生した二つの小説。大切な人への想いが、時間と距離を超え、人 と人とを繋げていく。有川浩meets演劇集団キャラメルボックス。小説×演劇の全く新しいクロスオーバーから生まれた物語の光。

7行のあらすじから誕生した二つの小説。

最初の物語を、とてもよかったと思い読み終えた。2つ目の物語は、登場人物のの名前が同じなので、頭の切り替えがなかなかできなくて、最初の物語のイメージをなくすのに苦労した。読み終わってみれば、2つ目のお話もいいお話なのだが。

わずか7行のあらすじから、こうも違う話ができるのかと感心した。

ヒア・カムズ・ザ・サン

編集者にとって一番大切な仕事は物語に寄り添うこと。という真也の言葉は印象に残った。
こんなにもずっと、まわりから思い続けているHALって、すごい人だな。

ヒア・カムズ・ザ・サン parallel
どうしようもない父親だ。カオルが怒るのも無理もない。でも、ほんとうはすごく愛しているのだ。その気持ちがわかるからこそ、真也は、仲を取り持つのに一生懸命なのだ。そんな姿がほほえましい。

どちらの真也も、自分の特殊な能力をみせびらかすようなこともなく真摯なところに好感が持てる。真也とカオルの関係もいい雰囲気!

お気に入り度★★★